小笠原諸島は、東京から1,000q南方にある大洋島(島の成立以来、大洋中に孤立して存在し、一度も周辺の大陸と地続きになったことがない島、その他の例として有名なものはガラパゴス諸島)で、聟島(ケータ)列島、父島列島、母島列島、火山(硫黄)列島と南鳥島、沖ノ鳥島等の孤立島から成り、一般住民が居住するのは父島と母島のみ。唯一の交通手段となっているのが小笠原海運鰍ェ運航する「おがさわら丸」(総トン数6,700トン)で、東京・竹芝桟橋から父島・二見港まで25時間半かけて航海して、3日間停泊の後、再度25時間半かけて竹芝桟橋まで戻る航路である。したがって、最低でも5泊6日の旅程になる。一週間の休みをとれても、プライベートで安くない運賃を払い、移動時間に丸2日をかけて行くとなると二の足を踏んでしまう人が多いだろう。
幼少の頃、私は地図を眺めるのが好きで、気づいたら離島に目がいっていた。これって一種の「島オタク」だったのかもしれない。小学生の低学年の頃には、父島、母島という島があり、父島の周りには兄島や弟島など男性の親族の名称の島、母島の周りには、姉島や妹島など女性の親族の名称の島があることを知っていた。日本列島から遠く離れたところにある島に、ある種のロマンを感じいつかは行ってみたいと思っていた。
就職して初めて携わった仕事が離島航路関連、ついに小笠原にも行けるのではないかと期待したものの、結局叶わず…。
そしてそれから10年以上の時が流れてついに巡ってきた小笠原出張。これを逃すと小笠原を訪れる機会を完全に逸してしまうと思い、上司にお願いして何とか行かせてもらうことになった。
小笠原のことを紹介する上で仕事の話を割愛して書き進めるのは難しいので、若干触れつつ、小笠原の魅力について紹介できればと思う。小笠原に行くまでは、「二度と行けないところ」と思っていたが、今になって思うとリピーターが多いことは大いにうなずける。私もいつか再度…。
このサイトをご覧になって小笠原に行ってみたいと思う方がいらっしゃれば幸甚です。