”大海原に抱かれて” in Ogasawara

3月7日(土)


6時に起床。

家族が寝ているうちに重いスーツケースを持って家を出る。土曜日だけに電車はガラガラ、途中で気分が悪くなった乗客がいて電車が遅れたものの、何とか9時15分前には竹芝桟橋に到着。

今回の出張のメンバーは、Tさん、Mさん、Sさん、先方はH部長、T課長、K部長。

業務の関係上、一般の乗船客が乗り込む前に乗船。


一等客室のカギをもらい、先に船室に荷物を置かせてもらう。二段ベッドが2つ入った部屋だ。Mさんと同室になる。


早速船橋(ブリッジ)へ。総トン数6,700トン、1,000人以上の旅客定員をもつ旅客船だけにブリッジは広いな。船員さん達の邪魔にならないように気をつけないと。


乗船客の乗船状況をみるために展望デッキへ。4日休みをとらなければならないのに思ったよりも乗客が多いのにビックリ。学生やリタイヤした人が多いのかな。


隣には東海汽船鰍フ関連会社である東京ヴァンテアンクルーズ渇^航の「ヴァンテアン」が停泊中。ランチクルーズに備えて仕込み中なのだろう。


出港時間を間違えた人がいたようで、どうなるかと思ったが、快晴の中、定刻の午前10時に竹芝桟橋を出港。汽笛を何回か吹鳴。やっぱり客船の出港って、エキゾチックな感じがしていいな、などと素人的な感慨にふけってみた。


周辺には小型船や浮標などがあり、大きな「おがさわら丸」を回頭させるのは大変。船橋内が若干慌ただしくなったものの、無事に針路を南に向けて航路に入った。これから25時間半の長ーーい航海だ。予報では、伊豆諸島周辺海域は波が高くうねりもあるようだ。東京湾を出たら大揺れになるのだろうか…。今まで完全な外海の航海の経験はない。大丈夫だろうか。車で酔うことはないけど、車と船は揺れ方が違うからなあ。

出港してすぐに潟Vーライン東京運航の「シンフォニー・クラシカ」と「シンフォニー・モデルナ」が見えた。「シンフォニー・モデルナ」が「シンフォニー2」という船名だった頃、初任給で親にサンセット・クルーズをプレゼントしたのを思い出した。


間もなく東京レインボーブリッジをくぐる。「クイーン・エリザベスU号」が通過できるように作られたのだから、「おがさわら丸」のクリアランスは全然問題ないが、通過時に「おぉー」と乗客からどよめき?があがるらしい。余談だが、昨日大黒埠頭に超大型客船「クイーン・メリー2」(総トン数15万トン超)が入港。さすがにクイーン・メリー2は横浜ベイブリッジの下を通過できないから、大桟橋に入って来れないが、着桟できたら絵になるだろうに…。
 ←行きのベストショット

羽田沖を通過してから一旦船室に戻る。12時に再度昇橋(船橋にあがること)して、MさんとSさんは甲板部の巡視に同行し、Tさんと私は船橋から外を見る。


その後、船内のレストランへ。たくさんメニューがあることにびっくり。カツカレーを食べる。結構美味。
船内では景色を見ているのも飽きてきて、最終的には食事だけが楽しみになるから、乗客にとって船内の食事は重要。相当な営業努力がうかがえる。


いよいよ東京湾を出て、揺れが少し大きくなってきた。ちょうど書類の監査を実施するタイミングと重なってしまう。別室を用意してもらい、関連書類、船員手帳、海技免状等を拝見する。書類等をチェックした後、私が調書を書くことになる。揺れている中で字を書いていると気分が悪くなるかと思ったら全く大丈夫。1時間程度で書類の監査は終了。

そのまま、Tさんと私は事務部の巡視に同行し、各居室、洗面所、厨房等を見る。揺れがひどく、船内を歩きまわるのもままならない状態になってきた。一歩一歩が軽くなる瞬間と重くなる瞬間の繰り返し。階段の上り下りはしんどい…。昨年度に船内で放火事件があった関係で、1時間ごとに巡視をしている。


MさんとSさんは船酔いで青い顔をして寝ている。つらそう…。私は読書しても気分が悪くならないので大丈夫そう。

夕方にTさんと昇橋し、甲板部の巡視に同行。三宅・御蔵と八丈の間を航行、風がかなり強くなってきた。


その後、エンジンルームに行き、関係部分のチェックをする。いつもは停泊中の船に行っているのであまり感じないが、航海中の機関室は実に暑い。汗だくだ…。


夜は先方と夕飯をご一緒させていただく。話の中で小笠原のプチトマトの話が出てきて、機関長から2粒頂いた。あまりの美味しさに唖然。プチトマトがすごく甘い。目から鱗が落ちた。南国の強い日差しを浴びた野菜や果物は甘さが増すようだ。


その他にも小笠原の話をいろいろとお聞きして、明日の上陸が楽しみ。まだ伊豆諸島を抜けていないので半分も来ていない。先が長いな。グラグラ揺れる中でシャワーを浴びて、24時頃就寝。