2月21日(土)

Visiting Shanghai on official business


注:以下について、仕事の内容は割愛させていただきます。


今日は仕事本番。朝食を済ませて、仕事の支度をする。

11時前にロビーに降りて待っていると、現地代理店の中国人の担当者が迎えに来てくれた。代理店の車(貨物用バン)に乗車。「空港へ船員を迎えに行くので、空港経由で行く。現地まで2時間くらいかかる」と言われる。車がボロくて乗り心地は極めて悪い。

先方とのコミュニケーションは英語のみ、私が対応するしかない…。プライベートの旅行だったら多少聴こえなくてもいいかって思うけど、今回は一応仕事だしなあ…。いつ話しかけられるか分からない状況でかなりの緊張を強いられる。しかも、エンジン音やロードノイズでただでさえ聴こえない英語が一層聴き取りづらい。

途中、「タバコいるか」と聞かれて、「持っているからいい」と言ったが好意を無にしてはよくないので、ありがたく中国製のタバコを頂くことにした。しかし、灰皿などどこにもないので、灰皿あるかと聞いたら、「床に捨てていい。あとで掃除しておくから」っていう…。そう言われてもなあ…。さすがに灰殻を捨てるわけにも行かず、仕方なくティッシュにくるんでポケットに入れる。

例によって、渋滞で上海中心部を抜けるのに1時間近くかかり、さらに空港まで1時間弱かかる。担当者が船員を迎えに行っている間、延々30分以上車で待たされる。ようやくフィリピン人船員2名が乗ってきた。3民族が入り混じる国際色豊かな車になった。船員から今日は何をしに来たのかとか、どこで英語の勉強をしたのかとか、○○は日本語で何と言うんだとかいろいろ聞かれる。あまり話せないのになあ…。

今日行く小洋山は上海の沖合30kmにある群島で、コンテナ埠頭の整備等が急速に進んでいるエリアである。大洋山の島影になる小洋山は外海からの潮流を直接受けない良港なのだろう。陸側からは何と32.5kmの橋が架けられ、橋の袂に税関が設置されていて、島全体と橋が保税地区になっている。そのため特別許可車両しか入れない。海がきれいじゃないのが惜しいが、先が見えないくらいの長い橋は圧巻だ。


今まで日本人で小洋山に渡ったことのある人はほとんどおらず、領事館員ですらなかなか入れてもらえないところらしい。実は相当貴重な経験だったようだ。私達は代理店のguestという扱いで入れてもらっているようだ。道がすいているとはいえ、渡りきるのにかなりの時間がかかり、さすがに景色も見飽きたころ小洋山に到着。


immigrationに着くと、一緒に降りろと言われる。どうやら、船員の出国手続と私達の特別許可証を取りに行くようだ。パスポートを見せると却っていれてもらえないのではないかという不安がよぎったが、すぐに車に戻っていてくれと言われ、そこで延々1時間くらい待たされる。もう待ちくたびれた…。

船員の手続の時間がかかりそうなので、ちょうど船に行く予定だった日本人技師3名ととともに車に乗り、コンテナターミナルへ向けて出発。最後に制限区域の入口にあるゲート、中国では外国の役人だと却って入れてくれないこともあるという話を聞いていたので、監視所でパスポートを見せるときは緊張した。ホテルを出てからもうすでに3時間強かかっている。ここで引き返さなければならなくなったら、そもそもこの出張の意味がなくなってしまう。

特に問題もなくすんなり入れてもらえて、本船が見えたときは心底ホッとした。


仕事が終わったら私が携帯に連絡を入れることを約束して、ようやくon board!舷門で身分を明らかにして、船長との面談を申し込み、船橋に案内してもらってしばし仕事をする。
←本船より大洋山を望む
←本船の船橋

ターミナル内に車を停めておけるわけではないので、本船の近くに車を持ってきてもらうのに30分くらいコンテナヤードをウロウロすることになってしまったらしい。車に戻ってから待たせたお詫びをする。

出発してすぐに領収書を提示してきて、「チャージとして2,680元(約4万円)払ってほしい、今、金を持っているか」と言われ、Yさんを指して「彼が持っている」と応えたら、どうも要領を得なかったようで、また30分くらいして私に同じことを聞いてきた。前日、領事からホテルに戻ってくるまで絶対にチャージを支払わないようにとのアドバイスを頂いていたので、ホテルに着いたら払う旨伝えたら、とりあえず納得してくれたが、急にこちらに話しかけてこなくなった。まあそれはそれでよかった。中国では、先にチャージを払ってしまうと後でなんだかんだと言って追加チャージをむしりとったり、どこか別のところへ連れて行ってしまう輩もいるらしい。

帰りは1時間半くらいでホテルに着いたが、見覚えのある景色が見えてくるまでホントに気が気がじゃなかった。最悪のシナリオとしては、どこかに連れ去られてしまう場合だってありうるだろう。最後に担当者に"Thank you so much. We couldn't have done without you."、運転手に"Thank you for your long driving."と言ったら、笑っていたので、きっと悪い人たちじゃなかったんだろう。

結局ホテルに戻ってきたのは18時過ぎ。昼食抜きの7時間の長旅だった。乗り心地の悪い車のシートに長時間乗っていたのと、英語のプレッシャーでクタクタになった。振り返ってみると船内にいたときが3人とも一番のびのびしていたのかもしれない。

さすがに夕飯は外に出かける気力もなく、初日と同じホテル内のレストランに入る。疲れていたにもかかわらず、結局23時近くまで飲んでしまう。


その後、早く寝ればいいものを、衛星放送で日本のバラエティー番組をやっていてずっと観てしまう(中国語の字幕がかぶってくるので見づらかったが…)。