現実を知ってから(6〜9月)

これは一筋縄ではいかない試験だと悟り、作戦を練り直し、学習計画もリスケすることにしました。まず、合格道場の問題演習を中心にした勉強スタイルに変えること、捨て科目を作らないこと、2週間以上全くやらない科目を作らないこと、記述式問題は日々少しずつでもいいから40字で自分なりの答案を作る練習をすること、これらに留意して当面坦々と知識を積み上げることに努めました。

合格道場は一つの論点についていろいろな角度からの問題が用意されていて、運動選手が反復練習をして鍛えられていくように、掲載されている問題を反復して解くことによって、脳が少しずつ鍛えられていくようです。勉強開始が遅れた私にとっては、道場のような量をこなす勉強方式は非常に厳しいものでしたが、私には幸い日中自由に使える時間がたくさんあるので、これを乗り切って早い段階でbehindを挽回しなければ本試験でまともな勝負はできないと思い、ここは胸突き八丁なんだと言い聞かせていました。この頃は日々頭の中が飽和状態になっていたような感じでした。

7月に入り予備校の模擬試験の申し込みが始まりました。とりあえず、8月上旬に某大手予備校のプレ模試を申し込み、これを一つの照準にして形にしていくことにしました。

大きな一つの目標として、行政法は言うまでもなく、民法を得点源にする!ことを掲げていました。民法という科目は条文が多い上に、明治時代に制定された法律なので判例も多く、しかも総則、物権法、債権法、親族法、相続法とが有機的に関連していて、総合的な学習をかなりの時間をかけてやらないと結果が出てこない厄介な科目です。本試験や模試でも事例問題が多く、解くのに最も頭を使うし時間も必要とします。

幸いなことに私の義理の弟君のYくんは司法書士!この時期、彼に民法や会社法で分からない点をずいぶんメールで質問させてもらいました。彼は忙しいのに私の質問や疑問点に参考文献も添付してくれた上で的確に回答してくれました。この時のやりとりは私の民法に対する理解を深める大きなきっかけとなったことは間違いありません。また彼のすすめで、予備校の答練(全6回)だけ通信講座で申し込みました。要は模試を自宅でやるようなものです(解説講義はなし)。今回の試験勉強で唯一万単位の投資したものです。

また自宅以外でも合格道場の問題演習ができるように弟君はモバイルPCを貸してくれました。感謝感謝です。マクドナルドや私の街の中央図書館は電源を使わせてくれるので、本試験までの間、モバイルPCをフル活用しました。

8月2日、本試験出願初日に願書をインターネットで出しました。出願までに半分の人は諦めてドロップアウトするらしいので、とりあえず第一段階突破というところでしょうか。希望会場は青学の相模原キャンパス。

8月8日に初めて本試験と同じ3時間の模擬試験(プレ模試)を受験。私にとっては久々の都心への外出で、しかも初めての会場受験で、周りの人はみんな秀才に見えるし、どぎまぎしてしまいました。思っていた以上に難しい問題にたじろぎましたが、出来なくて元々とチャレンジャー精神で臨んだら、意外にも今までの勉強の成果が出て、正答率75%で余裕のボーダーライン突破という結果が出ました。でもこれで油断するほどバカではありません。この時期の模試は受験生の勉強の仕上がりに合わせて作られているので、本試験よりも易しいんです。この時点で合格点がとれたことにより、behindは挽回したと判断して、もしかしたらこのままがむしゃらに頑張れば何とかなるかもと思い、さらにペースアップすることにしました。

この頃から1日8時間の勉強時間を確保することを自分に課すことにしていました。まだ一度もインプットとアウトプットをやっていない科目(法律)は既になくなり、どの科目も2回目ないしは3回目に入っていました。午前中の抗うつ剤の副作用による眠気への対処と勉強に新鮮味がなくなってきたことによる中だるみへの対処に日々苦慮していました。そんな時は模試や答練をやって気持ちを引き締めました。

そして、9月末の某大手予備校の全国模試を照準にして苦手科目(会社法・地方自治法)の克服とともに、行政法・民法の知識を確実なものにするためにアウトプットをひたすらやりました。その時に合格道場の練習問題と併せて最大限活用したのが市販模試や通信講座の総合答練でした。これらはその予備校ないしは出版社が過去問を研究し尽くして作った予想問題です。彼らは本試験の問題を当てることも使命としているので、それを本試験までに繰り返し解いて頭にたたきこんでおかない手はないわけです。

市販模試や総合答練ではボーダーを超えるものの、できる科目・できない科目が一定ではないので自分の弱点がよく分からず、また、たまに一般知識が足切りラインぎりぎりだったりすることもあり、勉強をしていても、絶えず別の科目のことが気に懸かり、落ち着いて一つの科目をやっている余裕がなくなってきました。この頃、合格道場の練習問題は3周目に入っていました。

初の本格的な全国模試を9月下旬に受験し、驚くことに上位1%以内に入るほどの成績が出ました。正直言って出来過ぎの感あり、まぐれだとしか思えませんでした。こうなってくると却って不安が募ってくるというものです。私は過去の受験で模試では数々の華々しい成績を残しながら本番で失敗してきた口です。

あと50日を切った時点で、本試験1週間前までの40日強の日割りの詳細な学習計画を立てました。いよいよ追い込み期です。

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