行政書士

抗うつ剤を服用し始めてから数カ月過ぎてもあまり目に見えた効果が出てこなくて薬物治療に限界が見え始めていたこと、家事と読書だけの生活に耐えられなくなってきたこと、30代の働き盛りがいつまでもこうした生活をしていることに大きな罪悪感があったこと、これらのことが相俟って、何かやらなきゃ、何か目標を持たないと、と2009年の冬くらいから思うようになっていました。役人を10年以上もやってきて何のとりえもない私にとってよるべきものは資格くらいしか思いつきませんでした。身体がまだ言うことを利かない感じで本格的に勉強を始めることができる状態にはなかったので、いくつか当たりをつけて資格関連の本を図書館から借りたり、古本屋で買ってきたりして読み漁りました。

まず考えたのが『税理士』。税理士試験は5科目合格すると税理士として登録できます。病気を治しながら気長に少しずつとっていけるし、長期決戦向きの勉強スタイルである私にとって向いているのではないかと考えたためです。でも私にとっては内容に全く興味が持てませんでした。日々数字とにらめっこする仕事なんて考えられません。その後、薬の変更などあって体調不良の日々が続き、ひとまずは先送りすることになります。

翌春の寒さが少し緩んできた頃に『社会保険労務士』が候補に挙がっていました。これから年金問題や労働問題はますます重視されてくるだろうから、今まで以上に必要とされる仕事になるのではないかと思い、今回はとりあえず行動してみようと、参考書を古本屋で買いこんできて、2週間くらいかけてざっと試験範囲の科目を俯瞰してみました。ホントに興味が持てるのか、この資格で独立開業して家族を養っていけるのか…、と私の頭の中は疑問符だらけでした。そんな時、司法書士で開業している義理の弟君に相談に行きます。彼は社労士のことをよく知らないということでした。

その時に話に出た資格が『行政書士』、『土地家屋調査士』等でした。土地家屋調査士試験は8月で今からではとても間に合わない。行政書士試験は11月中旬、勉強を始めるにしても、もう遅すぎるくらいのタイミングではありました。ただ、行政書士試験は公務員試験の勉強の貯金で試しに平成6年に受験したことがあり(その年は合格率が4%台だったようでちゃんと勉強しないで受かるほど甘くはなかったようです)、比較的土地鑑のある資格でしたし、過去に勉強したことがある科目が多いというのがポイントでした。

問題は生計を立てるのが難しいのではないかというのが世間一般の評価なので、果たしてやる意味があるのか?とその後しばらく思い悩むことになります。結局、将来性のことはさておき、何か明確な目標を掲げて何でもいいから自分の能力を試してみたいという衝動に駆られ、2010年のGWが明けてから一念発起して勉強を始めました。こんな大した動機もなく見切り発車することになります。


  行政書士試験の概要
  *もしご興味があればご覧ください

  勉強の歩み



  そして合格発表(1月24日)