奥田英朗「我が家の問題」


読了日:2011/09/05
個人的評価:
「小説すばる」連載 278ページ(集英社・2011/07/10)


<あらすじ>

平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。



<たーやんの独断的評価>

家日和」に続く家族小説シリーズの第2弾です。「甘い生活?」、「ハズバンド」、「絵里のエイプリル」、「夫とUFO」、「里帰り」、「妻とマラソン」の6篇からなる短編集です。

新婚ホヤホヤでまだ一度も夫婦で向き合っていないカップル、職場でお荷物になっているらしき夫を気遣う妻、両親が離婚するのではないかとヤキモキする子供たち、仕事のストレスでUFOと交信し始めた夫を何とかしなければと悪戦苦闘する妻、北と西に実家がある夫婦のお盆の里帰り、走ることに生きがいを見出した主婦の新たな挑戦…。

なかなかの粒ぞろいな短篇集でした。どれも家族のちょっとした日常が切り取られて描かれています。結婚2、3年から10数年の夫婦まで、家族の数だけ問題というものはあるものですね。悩みは尽きないものですよね…。既婚者にとっては、自分自身に照らし合わせて、他人事とは思えない気持ちで読めるから、面白いと思いますよ。どれも心温まるショート・ストーリーでした。