読了日:2009/10/03
個人的評価:★★★☆☆
「小説すばる」連載 235ページ(集英社・2007/04/10)
<あらすじ> おかしくて切ない、<在宅>小説誕生!ネットオークションにはまる主婦。会社が倒産し主夫となった営業マン。ロハスに凝る妻に辟易する小説家…。ちょっとズレても家庭は続く。夫と妻の心の機微を軽妙に描きだす、6つの物語。第20回柴田錬三郎賞受賞作。 |
「サニーデイ」、「ここが青山」、「家においでよ」、「グレープフルーツ・モンスター」、「夫とカーテン」、「妻と玄米御飯」の6篇からなる短編集。 私の好きな作家の一人。奥田氏の「マドンナ」、「ガール」と同様、共通のテーマで括られた軽いタッチで書かれた短編で、毒にも薬にもならないようなストーリーである。読了したそばから内容を忘れてしまいそうな話だが、どれも心温まるファミリーストーリーだ。どこの家庭にもありそうな話で、その分、劇的な展開もないが、夫婦間、親子間でお互いを思いやる心を小馬鹿にしたようなユーモアを交えて描いている。おそらく登場人物に共感できる読者は多いのではないか。やはり奥田氏はウマいなあと思わせるところが多々あり。個人的には「ここが青山」と「妻と玄米御飯」が◎。 活字に飢えた時や通勤時間等の暇つぶしにおススメ! |