【午前択一】(27(26?)/35)
■全般
個人的には昨年度の問題よりもかなり難化したような気がするんですが、予備校の評価では多少難化か?という程度みたいです。基準点は27問ないし28問ということらしいです(cf.昨年度の基準点:28問)。28問って8割っていうことですよ!これが合格点なら分かりますけど、足切り点ですからね。この試験の異常さの象徴だと思います。
■憲法(3/3)
迷いが生じるような肢はほとんどなく、易しい部類の問題だったと思います。今年度は久々に知識問題2問、推論問題1問の配分でした。出題は「人権の享有」、「比例代表選挙選出議員の除名等」(推論問題)、「違憲審査権」。
■民法(15(14?)/20)
相変わらず、最後の2肢で迷わされた問題が多かったです。ホントにダメですね…。自分のリーガルマインドを疑いたくなります。おそらくこの1年で最も時間をかけてきた科目だというのに…。今年も昨年同様難問奇問の類はほとんどなかったですね。民法でコンスタントに18/20取れるようにならないと合格はないものと思っています。民法で3問以上間違えたら、午前で30問超えは不可能ですから…。年明けまでの私にとっての最大の課題です。そして、私にとって忘れることのできない1問がまた産まれました。留置権の問題で軸となる肢をベースに再度見直さなかったことは悔やんでも悔やみきれません。この問題は落としてはいけない問題でした。それに、これが正解していれば、午前も基準点突破して、ついに書式を採点してもらえたでしょうからね…。
出題は
□総則:「後見、保佐、補助」、「無効・取消し」、「消滅時効」(推論問題)
□物権:「相続と登記」(個数問題)、「即時取得」、「共有」(個数問題)、「地上権・賃借権」
□担保物権:「留置権」、「物上代位」、「抵当不動産の第三取得者」、「法定地上権」、「根抵当権の当事者変更」
□債権:「連帯債務」、「第三者弁済」、「賃貸借」、「契約の終了・物の返還時期」
□親族:「婚姻・協議離婚の無効・取消し」、「認知」
□相続:「相続分」、「遺留分減殺請求」
■刑法(3/3)
予備校は、刑法各論は十中八九財産犯から出ると予想していましたが、久々に偽造罪あたりから出るかもしれないので、念のため対策をということでしたので、試験会場でテキストを見ていました(おそらくほとんど頭に入っていなかったと思いますけど)。ふたを開けば、何と個数問題で文書偽造罪、もうダメだと思いましたね。正解したのはまぐれです。残りの2問は比較的易しい問題でした。出題は、「因果関係」、「正当防衛」、「文書偽造罪」
■会社法・商法(6/9)
正解数としては不満の残る結果でしたが、予備校によれば、商法と会社法でそれぞれ1問ずつ捨問レベルの問題が出ていますので、6問正解はかろうじて許容範囲内でしょうか、でもやはり基準点の高さを考えると、あと1問は取っておきたかったです。出題は、「株式会社の設立」、「募集株式発行」、「自己株式・親会社株式」、「株主総会の招集」、「取締役の法令違反行為」、「会社法第429条」(推論問題)、「債権者異議手続」、「合名会社の社員の退社」、「商行為」。
【午後択一】(28/35)
■全般
昨年度よりは多少難化したようです。まず不登法で登記記録問題が4問も出たので時間的に例年以上にタイトになったこと、もう一つは民訴法がかなり難しかったというのが大きな特徴です。択一を解き終えるのに80分近くかかってしまいました。10分以上時間オーバーです。昨年度と同じ正解数ですが、昨年度は明らかにまぐれ、今回は実力で勝ち取った正解数だったと思います。マークミスがなければ、基準点突破は確実だと思われます(cf.昨年度の基準点:26問)。
■民事訴訟法・民事保全法・民事執行法(5/7)
民事訴訟法は、2問は捨問レベル、2問は難、確実に取れそうな問題は1問のみ。捨問以外の3問取れたのは、まぐれでしょうか。直前期に相当詰め込んだからこそ感覚を養えたと信じたいですね。来年度は易化すると予想されてます。民事保全法、民事執行法は半ば捨て科目的な位置づけになりつつも、両科目とも取れましたから、最低限の勉強はしておいてよかったです。出題は、「独立当事者参加」、「訴訟当事者の死亡」、「弁論主義」、「文書提出命令」、「確定判決」、「仮差押命令」、「担保不動産競売における売却手続」。
■司法書士法・供託法(3/4)
これは4問とも取らなければならなかったと反省しています。間違えたのは供託法の1問です。これもボーダーラインにいたら、悔やんでも悔やみきれないミスになったことでしょう。出題は、「司法書士の義務」、「弁済供託」、「営業保証供託」、「弁済供託の受諾」。
■不動産登記法(14/16)
難しい問題は少なかったものの、とにかく解くのに時間のかかる問題が多かったです。気持ちが焦ってしまったらヤバかったです。昨年度から復活した登記記録問題が4問も出るとは思いませんでした。模試の時から、まず最初に頭を使わないでも解ける司法書士法・供託法を解いて、次の不登法でリズムを作るという流れでやってきたんですが、それは作戦通りにいったかなと思います。出題は、「主登記・付記登記」、「一申請情報」、「抵当権・根抵当権の登記」、「印鑑証明書」、「登記記録問題」、「相続登記」、「判決による登記」、「職権抹消」、「登記記録問題」、「登記記録問題」、「地役権の登記」、「登記事項」、「登記記録問題」、「会社分割による抵当権・根抵当権の登記」、「仮登記」、「登録免許税」。
■商業登記法(6/8)
解いている時からあまり手ごたえがなかったんですが、それが結果に反映されていますね。これが今の実力と言うところなんでしょうね。ここもあと1問が欲しかったところです。出題は、「本店所在地における登記期間」(個数問題)、「株式会社の設立の登記」、「株式に関する登記」、「株式併合による変更登記」、「取締役・代表取締役の変更登記」、「会計監査人の登記」、「解散・清算人・清算結了の登記」、「一般社団法人の登記」。
【書式】
■不動産登記法
「3連件の登記申請」(枠は3件分)、「登記原因証明情報における登記の原因となる事実・法律行為を記載する記述問題」、「3連件の登記申請」(枠は4件分)の3点から構成される比較的オーソドックスな出題形式でした。
T.最初の3連件のポイント
@相続と遺贈の区別がついているか、相続登記に先んじて遺贈の登記を書けたか
A登記名義人の住所変更登記を@の前提登記として忘れずに書けたか
U.2つ目の3連件のポイント
@清算型遺贈を見抜き、最初の申請を相続登記にしたか、登記名義人の住所変更登記は相続登記の場合には不要と判断できたか:4件目は「申請不要」と書くことになる
A売買契約書から売買を原因とする所有権移転登記申請に先んじて弁済を原因とする抵当権抹消登記申請をしなければならないと判断できたか
おそらく、この4点を外さなければ普通はかなり出来のよい答案を書けたはずです。私はUAの判断を誤り、2つ目の3連件の2件目と3件目の登記が逆順になってしまいました。いわゆる枠外しです。それだけならともかく、相続登記で一部相続人を間違えて書くという基本的なミスまでしてしまいました。これだから本試験に棲む魔物は怖いです。こんな初歩的なミスをするとは…。これが私の不合格を決定づけた要因です。5月以降の模試で不登法書式は結構調子がよかったので、この結果は非常に残念です。
■商業登記法
申請回数も1回だし、株主総会、取締役会の議事録も数が少ないから、これなら30分くらいで解き終わるかなと第一印象ではそう思いました。ところが、精査し始めると、登記すべき事項が山ほど出てきます。その度に、登記の必要性を検討しているとあっという間に時間が経ちます。結局、登記の事由だけで10個もあったようです。私が書けたのはそのうちの8個ですかね。もし採点されれば、本来ならそれなりに部分点はついたかもしれませんが、役員の変更登記で重大なミスをしたようです。
この問題の肝はちゃんと見抜けていました。定款変更して、役員の任期が短縮されたから、この2名は任期満了する、ということです!ここまでは判断に誤りはありませんでした。でも取締役は5名だから権利義務取締役で登記申請しないことになるんだな…と結論付けました。私は出題者が予想もしないところでミスを犯してしまいました。定款の新旧対照表にあった取締役の員数のところで、「5名以内」と書いてあるところを「5名」と思いこんで登記申請を組み立ててしまったのです。その結果として、本来、取締役の退任登記をしなければならないのに敢えて登記すべき事項に書きませんでした。キリがないので詳細までは書きませんが、株主総会の直前に取締役兼支配人が後見開始の審判を受けたという事実も挟まっていますので、実際のところはもう少し事案は複雑です。
採点基準が公開されていないので本当のところはよく分かりませんが、役員変更で間違えるとまず受からないという説があります。まあとても大事な登記ですから、こういうのを間違えるようなやつを書士にするわけにはいかんっていうことなんでしょうね。
まあ、実力通りと言われてしまえば反論の余地もありません。不注意だからミスをしたのではなく、この検討をするときにはこのポイントをチェックする等の自分なりの解法ルールが十分に確立できていないからです。確立したルールで反復演習をすることによってミスはなくなってくるんでしょう。特に私の場合、商登法についてその力が十分についていないというです。身に沁みてよく分かりました。
細かいことは以上ですが、書式の出来がよくなかった最大の原因は、結局のところ、午後択一に80分近くかかってしまい、時間が足りなくなったことでしょうね。これは答練・模試の時もいつもそうでした。択一も書式ももっと速く解けるようにならないとボーダーに近づくことすらできません。この1年で1問あたりの解答時間が90分から60分を切るくらいまで短縮できたので、きっとまだまだ成長できると思っています。
また一から出直します。
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