最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。
◆読了日:2015/07/23
◆個人的評価:
◆「IN☆POCKET」連載 513ページ(講談社・2009/10/20)
<あらすじ> 最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。
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だいぶ前に図書館に予約してその時は読まずに返却した作品です。数年以上経って思いだして図書館で借りてみました。 夢中になって一気に読み終えました。途中、若干の中だるみもありましたが、全体としてはとてもいい作品でした。今の私にはそれなりに響くものがありました。主人公やそれを取り巻く人々が頑張ってもがいても思い通りにならずにどんどん世の中の底辺へと転落していく様は他人事とは思えず読みました。 エピローグ直前のチャプターがまさにクライマックスで、とてもいいシーンでした。最後には希望の光が射し込んできて、主人公が人生捨てたもんじゃないと再起を誓うところで物語は終わります。心から良かったなあと思えました。夢も希望もないようなお話は、特に今の私にはつら過ぎますね。 *「ニサッタ」とはアイヌ語で「明日」を意味する言葉です。 |