終わりから、始まる。厄災で断ち切られたもの。それでもまた巡り来るもの。喪失の悲しみと再生への祈りを描く、7つの小さな物語。
◆読了日:2015/07/20
◆個人的評価:
◆「en-taxi」連載 220ページ(扶桑社・2013/03/20)
<あらすじ> 終わりから、始まる。厄災で断ち切られたもの。それでもまた巡り来るもの。喪失の悲しみと再生への祈りを描く、7つの小さな物語。
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「トン汁」、「おまじない」、「しおり」、「記念日」、「帰郷」、「五百羅漢」、「また次の春へ」の7篇からならなる短編集です。すべて東日本大震災をテーマにしたお話です。重松さんが被災者に寄り添って丁寧に書かれているのはよく分かるんですが、あまり引きつけられるものはありませんでした。やはり、あまりにも重いテーマですから、真実を超えるようなものを書くことは難しいのではないでしょうか。ただ、作家の使命として、この被災を風化させまいとする意思のようなものは随所に感じられました。 |