泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する五つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
◆読了日:2014/09/05
◆個人的評価:
◆書き下ろし 266ページ(新潮社・2002/07/30)
<あらすじ> 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する五つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
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「結局、どういう風に繋がっていたわけ?」伊坂さんの本は読むとこういう感想を抱くことはままあります。たまに「知恵袋」とかでその手の質問を載せている人がいますが、今はその気持ちがよく分かりますよ。今回も5つの全く無関係な話が同時並行的に進められていて、時系列が必ずも合っておらず前後している、まあ一晩で一気読みすれば関連性がよく見えるのかもしれませんが、毎晩頭が寝かかっている時に少しずつ読んでいては、もう何がなんだか分かりませんでした。 最後にはきれいに一つに繋がります。分かっている人には爽快なんでしょうね。それにしても、どういう頭の構造をしているんだろう、作家さんという人種は…。 もう図書館に返さなければならないので、今更読み返して検証することはできません。結局分からぬままです。もったいないことをしました。。。 ちなみに表紙の絵は、エッシャーのリトグラフ「上昇と下降」です。きっとどこかでご覧になってことがあるんじゃないでしょうか、有名なだまし絵ですよね。階段の外側を歩く兵士は永久に上がり続け、内側を歩く兵士は永久に下がり続ける、今回のお話によくマッチした表紙なんだと思います。 |