美幸って、知っとる?この町のどこか夜ごと語られるは彼女にまつわる黒い噂──。町で評判のちょっと艶っぽいイイ女。雀荘のバイトでオヤジをコロがし、年の差婚をしたかと思えば、料理教室で姐御肌。ダンナの保険金を手に入れたら、あっという間に高級クラブの売れっ子ママに。キナ臭い話は数知れず、泣いた男も星の数――。美幸って、いったい何者?愛と悲哀と欲望渦巻く人々を描く、奥田節爆裂の長編小説。
◆読了日:2014/08/21
◆個人的評価:
◆「yom yom」、「小説新潮」連載 310ページ(新潮社・2012/11/30)
<あらすじ> 美幸って、知っとる?この町のどこか夜ごと語られるは彼女にまつわる黒い噂──。町で評判のちょっと艶っぽいイイ女。雀荘のバイトでオヤジをコロがし、年の差婚をしたかと思えば、料理教室で姐御肌。ダンナの保険金を手に入れたら、あっという間に高級クラブの売れっ子ママに。キナ臭い話は数知れず、泣いた男も星の数――。美幸って、いったい何者?愛と悲哀と欲望渦巻く人々を描く、奥田節爆裂の長編小説。
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奥田英朗さんのコミカル系の連作短編集です。「中古車販売店の女」、「麻雀荘の女」、「料理教室の女」、「マンションの女」、「パチンコの女」、「柳ケ瀬の女」、「和服の女」、「檀家の女」、「内偵の女」、「スカイツリーの女」の10編の短編は美幸という女性で繋がっており、読み進めるごとに場面が少しずつ展開しています(次の短編で前の短編の顛末が明かされます)。 「空中ブランコ」とか「町長選挙」とか「ガール」とか「マドンナ」のようなテイストがお好きな方にはおススメです。笑えるんですけど、岐阜県出身者にとっては、「岐阜を愚弄しておる!」と不愉快に感じるかもしれません。「談合」、「贈収賄」、「馴れ合い」といった日本の旧弊のようなものが地方には数多く残っているはずという偏見に満ちています。まあ、それは敢えてデフォルメして面白可笑しく書いているんだと思いますけどね。ちなみに、奥田さんは岐阜出身です。 読み捨て本としておススメです。 |