東野圭吾「虚像の道化師」

◆読了日:2014/08/05
◆個人的評価:
◆「オール讀物」、「別冊文藝春秋」連載 276ページ(文藝春秋・2012/08/10)


<あらすじ>

東野圭吾の代表作、「ガリレオシリーズ」の最新短編集。
ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。その場にいた者たちは、男が何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りたと証言し、教祖は相手に指一本触れないものの、自分が強い念を送って男を落としてしまったと自首してきた。教祖の”念”は本物なのか?湯川は教団に赴きからくりを見破る(「幻惑(まどわ)す」)。
突然暴れだした男を取り押さえようとして草薙が刺された。逮捕された男は幻聴のせいだと供述した。そして男が勤める会社では、ノイローゼ気味だった部長が少し前に自殺し、また幻聴に悩む女子社員もいた。幻聴の正体は――(「心聴(きこえ)る」)。
大学時代の友人の結婚式のために、山中のリゾートホテルにやって来た湯川と草薙。その日は天候が荒れて道が崩れ、麓の町との行き来が出来なくなる。ところがホテルからさらに奥に行った別荘で、夫婦が殺されていると通報が入る。草薙は現場に入るが、草薙が撮影した現場写真を見た湯川は、事件のおかしな点に気づく(「偽装(よそお)う」)。
劇団の演出家が殺された。凶器は芝居で使う予定だったナイフ。だが劇団の関係者にはみなアリバイがあった。湯川は、残された凶器の不可解さに着目する(「演技(えんじ)る」)。
読み応え充分の4作を収録。湯川のクールでスマートな推理が光る、ガリレオ短編集第4弾。



<たーやんの独断的評価>

ガリレオシリーズ第7作、短編集の第4作。「幻惑す」、「心聴る」、「偽装う」、「演技る」の4作のからなる短編集です。お馴染みの登場人物で、今までの経緯を知っていれば、スラスラと読了できる本です。まあ人気シリーズですから、大きくは外しませんね。どの短編も中身がありませんが、それなりに面白かったです。読み捨て本としてはおススメですね。