辻村深月「スロウハイツの神様」(上)・(下)

◆読了日:2014/07/15・2014/07/18
◆個人的評価:
◆243ページ・317ページ(講談社・2007/01/11)


<あらすじ>

【上巻】
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ。。。

あの事件から10年。
アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。
夢を語り、物語を作る。
好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。
空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

【下巻】
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。
そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。
彼女は誰なのか。
そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。



<たーやんの独断的評価>

辻村深月さんの作品は初見。一昨年に直木賞を受賞されている30代半ばの女流作家さんです。以前から直木賞に再三ノミネートされているのは知っていたので、何回か図書館で予約をかけるも、手元に届くタイミングがちょうど読書などしていられない時期で読む機会に恵まれませんでした。

表紙がマンガかメルヘン小説と見まがうようなものだったので、読むのをやめようかと思いましたが、なかなか面白かったですよ。2段組みで560ページですからかなりボリュームがありますが、サラサラと読み切ることができる本だと思います。但し、登場人物がかなり多いので、自分の中でストーリーのエンジンがかかるまでは、じっくりと読んだ方がいいと思います。前半に散りばめた多くの伏線が後半に繋がってくるので、読み飛ばしてしまうと面白さが半減すると思います。まとまった時間を読書に充てられるのであれば、細かい描写をたくさん覚えておくためにも上下巻で10日以内に読了した方がいいと思います。