桐野夏生「ハピネス」

◆読了日:2014/07/10
◆個人的評価:
◆「VERY」連載 376ページ(光文社・2013/02/10)


<あらすじ>

三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。
おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。
他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。
彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。
有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。
そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。
「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結末を大幅加筆!



<たーやんの独断的評価>

約8カ月ぶりに小説を読みました。この間、全く読書をしている余裕がありませんでしたので、予約していた本はすべて受け取らずに権利放棄してしまいました、もったいない…。今は余計なことを考えたくないので、一気読みしました。

ママ友同士の裏表ありまくりの会話は、現実がどうなのかは分かりかねますが、相当リアルに感じました。私はママ友間の一種独特な世界の”近所”で暮らしていますので、子供を介して少々のやり取りをしなければならない時がありますが、そうは言ってもパパは完全に外野ですので、この手の話は第三者的に読むことができます。でも当事者になるような人にとってはちょっと刺激が強いかもしれませんね、どうしたって自分を重ね合わせて読んでしまうでしょうからね。

でも、桐野さんの作品としては相当にお上品だったと思います。もっとドロドロした話かと思っていましたので、少し拍子抜けしたくらいです。2時間ドラマ的ですが、読み捨て本としてはなかなか面白かったです。