貫井徳郎「微笑む人」

◆読了日:2012/11/18
◆個人的評価:(1.5)
◆「ジェイ・ノベル」連載 281ページ(実業之日本社・2012/08/25)


<あらすじ>

エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し…。仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!?

貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。



<たーやんの独断的評価>

貫井徳郎さんの最新刊です。

ちょっとこの終わり方はないんじゃないの?という感じで唐突に話が終わってしまいました。ラストまではかなり面白いと思っていたのに残念です。結末は読者の想像力に委ねるということなんでしょうけど、今までの描写が何のために書かれていたのか等の説明が一切なされぬまま、しかも一体どういう事件だったのか真実が明かされぬまま、急にラストを迎えます。残りページを見て、これでどういう風にストーリーをまとめるのか楽しみにしながら読んでいたのに…。ミステリーでこういうやり方はないでしょ?読んで損した気分です。