重松清「空より高く」

◆読了日:2012/11/12
◆個人的評価:
◆「読売新聞」連載 299ページ(中央公論新社・2012/09/25)


<あらすじ>

僕らは廃校が決まった東玉川高校最後の生徒。平凡な高校生として、それなりに楽しくやっていたのに、赴任してきた熱血中年非常勤講師・ジン先生のせいで調子がくるった。通学路で出会ったピエロさんの大道芸に魅せられた僕は、ジン先生の持ち込んだ迷惑な「ウイルス」に感染して…。思わぬところから転がり込んだ「セーシュン」、そして明らかになる、ジン先生の―トンタマ一期生の、過去。



<たーやんの独断的評価>

重松清さんの最新刊です。

かなりベタな青春小説でした。でも、重松さんの作品の場合は、そのベタな状態を客観視した上で書かれているので、安っぽい青春ドラマにならないんでしょうね。そこがいいところです!

話の構成は単純ですし、サスペンスのように伏線が散りばめられていることもありませんので、細切れ時間に読んでも、すぐに小説の世界に入っていけます。タッチも軽いですから、多忙だけども読書したいという方にはおススメです。青春モノだけに読後感も爽やかです。

それにしても、小説の舞台のモデルは多摩ニュータウンのはずですが、ここにお住まいの方が読んだらどう思うんだろう…。自分の住んでいる街が廃れていくさまが本の中でも描かれているのは愉快ではないでしょうね…と少し気になりました。