重松清「希望の地図」

◆読了日:2012/08/24
◆個人的評価:
◆「日刊ゲンダイ」連載 292ページ(幻冬舎・2012/03/11)


<あらすじ>

「被災地」は、今……。
「震災後」の時代の始まりと、私たちの新しい一歩を描いた渾身のドキュメントノベル!

2011年3月11日。人々の価値観や生き方が、大きく変えられてしまった「あの日」。それでも人には、次の世代につなげるべきものがある。いわき、石巻、気仙沼、南三陸、釜石、大船渡、そして福島・飯舘。幾度となく被災地に足を運んだライター・田村章と、中学受験に失敗し不登校になってしまった少年。二人は、そこでどんな人に出会い、どんな涙を流し、どんな新たな幸福への道すじを見つけたのか。去ってゆく者、遺された者の物語を書き続けてきた著者が、「希望」だけでも「絶望」だけでも語れない現実を、被災地への徹底取材により紡ぎ出し、「震災後」の時代の始まりと私たちの新しい一歩を描いた渾身のドキュメントノベル!



<たーやんの独断的評価>

読了してから時間が経ってしまいましたので、簡単に書きます。この本は発売されてすぐに図書館に予約をかけて5月頃に手元に来ましたが、本試験直前で読書は封印していたため、かーやんにだけ読んでもらって返してしまい、本試験が終わってから改めて予約した本です。

最近、マスコミが取り上げている震災関係のニュースはほとんど原発関連ばかりで、まだ復興途上の現地に関する報道が激減しています。そして、被災地から離れたところに住んでいる人にとって、過去のこととなりがちな今こそ、読んだ方がよい本だと思います。必死に前を向いて生きようとする方々の真実だからこそ胸に深く沁み入る作品です。しかも書いたのは重松清さんなので、繊細な心象風景が鮮やかに描かれています。