◆読了日:2011/12/11
◆個人的評価:(2.5)
◆「小説すばる」連載 461ページ(集英社・2011/09/10)
<あらすじ> 待望の新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ 都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。 |
東野さんの最新作。設定としてはなかなか興味深い作品でした。いかにも連ドラとか映画に使えそうな内容です。売れっ子作家の作品を映像化しないはずもありませんので、近い将来実現することでしょう。 ただ、如何せん、「無駄に長い」という印象ばかりが残りました。再三起きるホテルと利用客とのトラブル・問題処理が本筋とは直接関係ないものが多いんですね。たしかにトリックの伏線、事件解明のヒントとして必要な描写かもしれませんが、単に読者に対する眩惑効果を狙っているのでは??と思ってしまいます。 クライマックスまで結末を読み切らせないところは相変わらずですが、読者を作品の世界へとひきつけておく力がいつもよりなかったように思えます。まあ敢えて手にするほどの作品ではないかなと思います。 いかにも、シリーズものとして次回作を考えているような感じがしますが、最近あまりにも商業主義に走り過ぎなのではないかなと思えますね。最近の当たり作は「麒麟の翼」くらいのものです。私の中では「新作を是非とも読んでおきたい作家」のリストから外れつつあります。 |