◆読了日:2011/11/21
◆個人的評価:(2.5)
◆「週刊文春」連載 413ページ(文藝春秋・2011/06/06)
<あらすじ> 夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。 |
ガリレオシリーズの第6作です。同シリーズの作品を読むのは、3年前に同時刊行された「ガリレオの苦悩」、「聖女の救済」を読んで以来です。 うーん、個人的にはガリレオシリーズにしては今一つだったという印象です。テンポもよく、読みやすさも相変わらずです。でも、まずミステリーとしてこれではダメでしょう…。トリックが稚拙だし、肝心な情報が恣意的に読者に隠されている、もちろん、ミステリーなので情報がフルオープンでは何も面白みがないわけですけど、もう少し自然な流れでクライマックスまで持っていって欲しいところです。 同じガリレオシリーズでも、直木賞受賞作「容疑者Xの献身」とは比べものにならないかもしれませんね(ちなみに、かーやんは本作品を私よりも一足先に読了して、今は「容疑者Xの献身」を読んでいます。)。 一つとても新鮮だったのが、今回の作品ではガリレオ先生のミニチュア版のようなキャラクターが加わったこと、そしてガリレオとその少年とのやりとりが微笑ましく、その点についてはとても好感が持てました。このキャラは今後の同シリーズで登場させてほしいですね。 |