■読了日:2011/10/05
■個人的評価:
■「Feel Love」連載 267ページ(祥伝社・2010/11/10)
<あらすじ> 小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮気に悩む花屋の女主人・佐伯や、かつて犯した罪にとらわれつづけるトリマー・美禰、繭を見守る謎の美女・ニジコたちが。一見平穏に見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱える懊悩が痛烈な哀しみとしてにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるがゆえに感じられる人のぬくもりと、ぼろアパートだからこそ生まれる他人との繋がりだった…。 |
三浦しをんさんの作品を読むのは、「まほろ駅前多田便利軒」に始まって本作品で9作目ですが、「風が強く吹いている」(読了2冊目)以降、これという作品で出会えなくて、しばらく敬遠していました。 「シンプリーヘブン」、「心身」、「柱の実り」、「黒い飲み物」、「穴」、「ピース」、「嘘の味」の7篇からなる連作短編集です。各短篇とも、木暮荘の住民や木暮荘にゆかりのある人々の目線で日常が描かれていて、相互に関連しています。 これが実に下らない話ばかりなんですが、個人的にはこういうテイストは嫌いじゃないです。マンガを読むような感じでお手軽に読了できますので、活字に飢えた時におススメです。 |