東野圭吾「プラチナデータ」


読了日:2011/08/21
個人的評価:
「パピルス」連載 431ページ(幻冬舎・2010/06/30)


<あらすじ>

犯罪防止を目的としたDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がるなか、科学捜査を嘲笑うかのような連続殺人事件が発生した。警察の捜査は難航を極め、警察庁特殊解析研究所の神楽龍平が操るDNA捜査システムの検索結果は「NOT FOUND」。犯人はこの世に存在しないのか?時を同じくして、システムの開発者までが殺害される。現場に残された毛髪から解析された結果は…。
「RYUHEI KAGURA適合率99.99%」。犯人は、神楽自身であることを示していた―。確信は疑念に、追う者は追われる者に。すべての謎は、DNAが解決する。数々の名作を生み出してきた著者が、究極の謎「人間の心」に迫る。



<たーやんの独断的評価>

この作品は”普通に”面白いです。ただ、東野さんの作品じゃなかったら、これほど売れなかったんじゃないかなと思いますね。着眼点はなかなか面白く、前半部分を読んでいる時はその後の展開が楽しみでしたが、その後、意外に展開せず、せっかくの題材を活かしきれないまま終わってしまったという感じです。まあ好意的な評価をすれば、コンパクトにまとまっているというところでしょうか。東野さんの最近の作品で同じSFミステリーだったら、「パラドックス13」の方が面白かったです。

このところ東野さんの作品で高評価をつけていません。筆が止まらないかのような勢いで次々と新刊が出てきますが、これは!っていう作品が全然出ていません。金儲けに走り過ぎなんじゃないでしょうかねえ。