読了日:2010/03/23
個人的評価:★★★★☆
書き下ろし 394ページ(幻冬舎・2007/04/10)
<あらすじ> 「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。二学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。ちょっぴり神経質な彼に下された、空前絶後の救国指令!?「並みの天才じゃない」と金原瑞人氏激賞! |
万城目学氏の作品は初見。本作品は昨年度に映画化されている。雰囲気は現代版「坊っちゃん」というところだ。内容にリアリティは全くないが、エンターテイメント性は高い。奈良・飛鳥地方の歴史遺産が鮮やかに描かれ、邪馬台国論争などを織り交ぜながら、ストーリーは展開していく。 とりわけ心に残るフレーズや場面があるわけではないが、文章は読みやすく、展開もテンポがよく、読後感も爽やか、という具合に全体的によくまとまっているストーリーだ。さすがに直木賞ノミネート常連作家だけのことはある。ストーリー上、大して重要な筋ではないが、剣道の試合のシーンは迫力があってなかなかひきこまれる。 新たに読んでみようと思う作家がまた一人増えた。次に読んでみようと思っている「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」も楽しみ。 |