読了日:2010/03/03
個人的評価:★★☆☆☆
書き下ろし 324ページ(集英社・1998/07/30)
<あらすじ> 29歳のタクシードライバー野上雄貴は、GCS幼児教育センターから幹部候補生としての入社要請を受け、不審を覚える。センターの母体となった教育システムの創始者・近松吾郎が、愛人に生ませた子が野上だった。野上自身、0歳のときから「金のゆりかご」と呼ばれる装置で育てられ、一時は天才少年としてマスコミでももてはやされたが、やがて限界の露呈とともに切り捨てられたのだ。彼が、9年前に起こったセンターの4人の子供が次々と精神に錯乱をきたした事件を追ううち、事件の鍵を握ると思われる一人の少年の母親・漆山梨佳が行方をくらます。 |
北川氏の作品は2作目。覆面作家で本名や性別すら明かされていない作家。ストーリーの設定や着眼点がとても興味深く、またかなり話題にもなっていたので、気になってだいぶ前に予約をかけてようやく手元に来た。 中盤までは次の展開が気になってかなり楽しめたが、クライマックスになってから無駄に二転三転し、単に奇を衒っているだけの印象が残った。また登場人物が多い割に、ストーリー上、重要な役割を果たす人が意外に限られており、読み終えてみるとあまり意味のない描写が多く、肝心なところが掘り下げられておらず、物足りなさを感じた。せっかく予約した本だし、返却日も迫っていたので何とか辛抱して読んだが、評判に反して期待ハズレ。 |