明野照葉「汝の名」

読了日:2010/02/15
個人的評価:★★★☆☆
360ページ(中公文庫・2007/06/25)


<あらすじ>

若き会社社長の麻生陶子は、誰もが憧れる存在。だが、その美貌とは裏腹に、「完璧な人生」を手に入れるためには、恋も仕事も計算し尽くす女だ。そんな陶子には、彼女を崇拝し奴隷の如く仕える妹の久恵がいた…。しかし、ある日から、二人の関係が狂い始め、驚愕の真実が明らかになっていく。『女神』の著者が「女の心理と狂気」で描く現代サスペンスの傑作。



<たーやんの独断的評価>

明野照葉氏の作品は「女神」に続き2作目。本作品は、ちょっと前まで売り上げランキングの上位に長期間にわたって入っていた作品だ。

下らないと言えば下らない、ただ売れるだけの本だけあって、エンタテイメント性はかなり高いと思う。じっくり読むような内容ではないので、暇つぶしに一気に読了する本だ。

最大の盛り上がりは結末ではなく、陶子が久恵に千載一遇のチャンスを逃さずに大がかりなリベンジをするところ。最後は2人がリベンジのループに入ることを予感させたまま幕を閉じる。これがかなり中途半端な印象がぬぐえない。内容については、ネタバレ防止のためにここでは紹介しないが、正直言って結末でかなりテンションが下がった。