読了日:2010/01/30
個人的評価:★★☆☆☆
書き下ろし 243ページ(光文社・2006/04/14)
<あらすじ> 6年前に会社を辞め、郷里の博多に戻ってきた藤川啓吾。小さなバーを経営する現在の彼には、どうしようもない孤独と将来への漠たる不安があるだけだった。そんな彼のもとへ、ある日、会社時代の親友の妻・美奈が突然訪ねてくる。ほろ苦い過去を引きずりながら再会した啓吾に、美奈は驚くような相談を持ちかけてきたのだった―大人の男女が互いに愛し合うとは一体どういうことなのか?誰もが悩む恋心と性愛との不可思議な関係を卓抜な言葉で解き明かす傑作の誕生。 |
白石一文氏の作品は初見。先日「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞。私はノミネートの段階で図書館に予約をかけてあるのでそろそろ確保されると思うが、その前に一作でも読んでおこうと思い、少し前の作品を図書館の開架棚から借りてみた。 大人の恋愛を描いた作品で、自分が相手の立場だったらというくだりが何回も出てくるが、これは男女の恋愛に対する考え方の相違を表現したものだ。−「私たち女は心と身体で生きる。だけど、あなたたち男は、目と頭だけで生きようとする。」− 大きな展開がなく淡々と進んでいくストーリー、これといって心に残る場面もなかったことから、読了してまだ1日しかたっていないにもかかわらず、もう内容が思い出せない。今の自分が恋愛にシンパシーを感じないからかもしれないが、面白みに欠ける作品だった。「ほかならぬ人へ」に期待したい。 |