読了日:2009/12/06
個人的評価:★★☆☆☆
「小説すばる」連載 317ページ(集英社・2002/08/30)
<あらすじ> 死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望―。静かに胸を打つ物語。 |
本多孝好氏の作品は初見。本作品はすでに4年前に文庫化されている。「FACE」、「WISH」、「FIREFLY」、「MOMENT」の4つの短篇からなる連作短編集。主人公、舞台、登場人物は共通していて、準主役級が短篇によって変わる。 本の返却期限が迫っていたこともあり、読み飛ばして正味1日で読了。読み飛ばせるだけあって、読みやすいことは読みやすいのだが、病院で死を目前にした人の願いをテーマにしたそれなりに重いテーマなのに、心に訴えかけてくるものが特に感じられないまま終わってしまい、正直言って期待外れだった。ハートウォーミング小説としてもミステリーとしても中途半端な感は否めない。敢えて言えば、4つの短篇の中では「FIREFLY」がよかったのではないか。 しかし、本作品の文庫本は現在ベスト100にランキングされているほどのベストセラーだ。たまたま、現在の私の感性に合わなかっただけかもしれないので、興味のある方は読んでみたらどうか。ただ、買ってまでも読む本ではないと思うのだが…。なお、続編の「WILL」(本作品の7年後の設定)が単行本で絶賛発売中。私も一応図書館に予約をかけてある。 |