読了日:2009/11/05
個人的評価:★★☆☆☆
産経新聞連載 364ページ(産経新聞出版・2006/04/10)
<あらすじ> あと半年の命…。末期ガンを宣告された中年男が、妻に、子供に、そして愛人に最後に遺すものは?「身勝手すぎ」VS「男の理想」と賛否両論の小説を単行本化。『産経新聞』連載に加筆・修正。 |
秋元康氏の小説を読むのは初めて。主人公が末期がんになり余命6カ月、彼は残された時間を今までの人生で知り合った大切な人との会い、「自分の残された宿題」を少しずつ片づけていく。 読みやすく、面白いことは面白いのだが、所詮は2時間ドラマの域を出ない。いつでも読むのを中断できるような内容だけに、ズルズルと読んでしまい必要以上に読み終えるのに時間がかかった。作詞家・構成作家が本職だけに、読者を感動させようとするすべはよく心得ていると思うが、どうにもわざとらしさを感じざるを得ない。また、「男の理想」とか売り文句が書かれているが、これが中年男性の理想なのか??単なるご都合主義の中年男ではないか。死を目前にしているからといって何でもアリというのもね、そのあたりが全くもって共感できないところだ。テーマの割には奥行きがないので、わざわざ買ってまでも読む本ではないと思う。余命を知り、残された少ない時間の過ごし方や大切な人に何を遺すことができるか、というところが本作品の泣き?どころということなので、興味があればどうぞ。 ちなみに、実父と後輩作家の死が本作品のモチーフとなったようだ。2007年に本作品を原作として映画化されているし、また絵本にもなっているので、世間の注目度は高い。 |