海堂尊「ジェネラル・ルージュの伝説」

読了日:2009/10/13
個人的評価:★★☆☆☆
書き下ろし 255ページ(宝島社・2009/03/06)


<あらすじ>

シリーズ第3弾『ジェネラル・ルージュの凱旋』のスピンオフ小説。救命救急医・速水が「将軍」と呼ばれるきっかけとなった事件が描かれます。また、海堂尊の日々を綴ったエッセイや、創作の秘密を惜しみなく明かした自作解説も収録。すべてこの本のための書き下ろしです。さらに広がり続ける「海堂尊ワールド」を徹底解剖した、登場人物一覧&関係図&年表&用語解説&医療事典付き。ファン必読です。



<たーやんの独断的評価>

前半の100ページ強の「ジェネラル・ルージュの伝説」が本作品のメイン。あとは過去の海堂作品の創作の舞台裏、各作品の相関図・解説など、海堂バイブルのような本だ。コアな海堂ファンにはたまらない作品だと思うが、それ以外の人には読んでも仕方がないかもしれない。

前半のスピンオフ小説は、「凱旋」を読んだ人にとっては、蛇足的な印象が残るだけで、おそらく期待外れに終わるのではないかと思う。実際のところ、真新しい内容は特になく、火災で多くの死傷者が桜宮病院に運び込まれ、速水が八面六臂の活躍をすることやジェネラル・ルージュの命名の由来などは「凱旋」の中でも描かれているのですでにご承知であろう。単に速水の目線で焼き直しされているに過ぎない。

海堂氏の作品はほとんど読破している私も実のところ後半は読み飛ばした。すでに他の作品を読了してから時間がたっており、今になってからくりや舞台裏を知っても正直言って興味が持てない。