浅倉卓弥「四日間の奇蹟」

読了日:2009/09/12
個人的評価:★☆☆☆☆
書き下ろし 508ページ(宝島社文庫・2004/01/29)


<あらすじ>

第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラーを待望の文庫化。脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー



<たーやんの独断的評価>

第1回「このミステリーがすごい!」金賞・大賞受賞作。ベストセラー、本屋で山積みになっているという触れ込みで古本を買ってみた。

これほどファンタジックなストーリーだとは…。私にとっては評価以前の問題だ。中盤で事件が起きるまでは一般的な娯楽小説として読み進めていくことができたが、その事件を境に何もかもが色褪せたものになってしまい、全く興味が持てなくなった。あまりの下らなさに読むのが苦痛になってきた。最後まで読み終えた自分を褒めてあげたいというくらい。ネット上にあるレビューでは「傑作だ」とか「涙なしでは読めない」など最上級に評価をしている人もいるし、映画化もされているので、たしかにベストセラーなのだろうが、あらすじにあるような売り文句は私には詐欺だとしか思えない。

ちなみに、若干ネタバレになるが、東野圭吾氏の「秘密」と同様、外見だけそのままで心が入れ替わるというネタが使われている。このあたりも真新しさがない。それにしても、「このミステリー〜」で受賞している作品にはロクなものがない。面白かったのは海堂尊氏の「チーム・バチスタの栄光」くらいのものだ。