養老孟司「超バカの壁」

読了日:2009/09/10
個人的評価:★★★☆☆
190ページ(新潮新書・2006/01/20)


<あらすじ>

「今の日本社会には、明らかに問題がある。どんな問題があるか。私はものの考え方、見方だと思っている。そこがなんだか、変なのである」――フリーター、ニート、「自分探し」、テロとの戦い、少子化、靖国参拝、心の傷、男と女、生きがいの喪失等々、現代人の抱える様々な問題の根本が見えてくる。「バカの壁」を超える方法、考え方は自分の頭で生み出す。そのためのヒントが詰まった養老孟司の新潮新書第三弾。



<たーやんの独断的評価>

「バカの壁」、「死の壁」に続く第三弾。養老氏の著作を読むたびに、この人は難しいことをさも大したことではないかのように誰にでも分かるように書いてくれる人だと感心させられる。やはり頭脳の出来が違うのだろう。切れ味鋭く、モノの見方、捉え方に目から鱗が落ちた想いがする。

現代の様々な社会問題について、意外な切り口から鋭く切り込んでいる。ただ…、もう3作目となるといい加減ネタ切れの感もある。それに一元論的なモノの見方について批判しているにもかかわらず、やけに単純化してモノをとらえているために一元論になっている傾向があり、感覚的に違和感を覚えるところが多々あった。楽しく読めるとは思うが、人生のヒント的なものを探そうとしているのであれば、他の本を読んだ方がいいだろう。