水野敬也「夢をかなえるゾウ」

読了日:2009/07/12
個人的評価:★★★☆☆
357ページ(飛鳥新社・2007/08/29)


<あらすじ>

ダメダメな僕の目の前に、突然現れた”ガネーシャ”。「自分、成功したいんやろ?」なぜか関西弁で話す、とてつもなく胡散臭い神様の教えは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。こんなんで僕は成功できるの!?過去の偉人の成功例から導き出される、誰にでも一日単位でできる超実践的な成功習慣を小説に織り込んだ、世界初の成功エンタテイメント!



<たーやんの独断的評価>


本作品は2008年秋に日テレ系列でドラマ化された。単発版(「男の成功篇」)と連ドラ(「女の幸せ篇」)があり、キャスティングは、男性主人公が小栗旬、女性主人公が水川あさみ、ガネーシャは双方とも古田新太。当時から原作が大変評判になっていたこともあり、連ドラは視聴済。遅ればせながら、原作も読んでみようと思い、図書館に予約をしてからかれこれ半年、ようやく手元に。

連続ドラマと原作のテイストは同じだが、ストーリーは全く別。それにしても、古田新太の演技は素晴らしかったのだなと思う。私の中で読み始めからガネーシャのイメージは確固たるものとなっていた。

ガネーシャの出す課題には一つ一つ唸らされるものがあった。どれもこれも極めて地味なことで誰にでもできることなのであるが、面倒くさかったり、気恥ずかしかったりしてなかなか実践している人はいない、しかし、それこそが幸せになる(成功する)ための近道なのだということを指南している。内容は自己啓発本であるが、ストーリーは主人公とガネーシャとのコント調で構成されており、極めてライト、それを真面目に人生の参考とするか、単なるエンタテイメントとして捉えるか、読者に強要しないところがいまどきウケるのだろう。いずれにしても、時に違った角度からの視点というのは必要であり、本書を読むと自分自身の盲点が見えてくるかもしれない。

ただ、自分より4つも年下に人生を指南されるのもなあ…、いまいち説得力がねえ…。

【(参考)ガネーシャの課題】
「靴をみがく」、「コンビニでお釣りを募金する」、「食事を腹八分におさえる」、「人が欲しがっているものを先取りする」、「会った人を笑わせる」、「トイレ掃除をする」、「まっすぐ帰宅する」、「その日頑張れた自分をホメる」、「一日何かをやめてみる」、「決めたことを続けるための環境を作る」、「毎朝、全身鏡を見て身なりを整える」、「自分が一番得意なことを人に聞く」、「自分の苦手なことを人に聞く」、「夢を楽しく想像する」、「運が良いと口に出して言う」、「ただでもらう」、「明日の準備をする」、「身近にいる一番大事な人を喜ばせる」、「誰か一人のいいところを見つけてホメる」、「人の長所を盗む」、「求人情報誌を見る」、「お参りに行く」、「人気店に入り、人気の理由を観察する」、「プレゼントをして驚かせる」、「やらずに後悔していることを今日から始める」、「サービスとして夢を語る」、「人の成功をサポートする」、「応募する」、「毎日、感謝する」