山本直治「公務員、辞めたらどうする?」

読了日:2009/06/17
個人的評価:★★★☆☆
237ページ(PHP新書・2007/01/05)


<あらすじ>

公務員だって転職したい!?お役所勤めは決して楽ではないし、世間の目も厳しい。公務員制度改革によるリストラもささやかれている。もはや、「役人天国」の時代は終わったのだ。ならば、民間会社で、あるいは起業することで、自分のやりたい仕事に挑戦してみてはどうか?そのための転職支援サイト「役人廃業.com」を主宰する著者は、旧文部省のキャリア組出身。現在は人材スカウト業に従事し、本書で多くの転職知識や事例を紹介する。全国四〇〇万人の公務員に問いかける、キャリアチェンジのすすめ。



<たーやんの独断的評価>

もともと本著を読みたくて図書館に予約をかけたついでに、「実は悲惨な公務員」もあわせて予約して、先に書かれた本著の方を読むのが後になってしまった。

本著は私にとっては実にタイムリーな本。ネットサーフィンをしているときに偶然見つけた本だ。昨日の晩に読み始めて、1日弱で読了してしまった。いろいろと考えさせられた…。今はあまり先のことを考えてはいけないと思いつつも、そんなことを考えていたら、寝付けなくなってしまった…。いかんいかん。

「実は悲惨な公務員」と同様、どちらかと言うと役人擁護的な論が展開されている(というよりも内容がかなり重複している)。転職者の「役人廃業」体験など、内容的には得るところがたくさんあったが、著者自身が文科省のキャリア出身だということもあり、キャリアの目線で書かれており、反発したくなるような内容も多々あった。

役人を辞めて新たな道を進むことはいかにハードルが高いかということだけを思い知らされたように思う。ちょっと薬が効きすぎたか…。当たり前の話かもしれないが、結局のところ、多大なリスクを負ってまでも人生においてどうしてもやりたいところがあって人生やり直したいと思う人か、極めて優秀な人でないとなかなか真似できないということだ。

消極的な理由からの転職はやはり大きな後悔となるのだろう。自分の中でよくよく熟成させてから結論を出さないと危険だ。資格試験などを目指した場合、その後のビジョンがしっかりしていないと成就しても「燃え尽き症候群」となってしまうというのがいい例だ。

いずれにしても、現時点ではこういうことを考えるのは先送りにすべし。改めて後日読んだ方がよさそうだ。