新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。どんな小説に対してもたちどころに書評を作成するこの機械が、推理小説界を一変させる――。発表時、現実の出版界を震撼させた「超読書機械殺人事件」をはじめ、推理小説誕生の舞台裏をブラックに描いた危ない小説8連発。意表を衝くトリック、冴え渡るギャグ、そして怖すぎる結末。激辛クール作品集。
読了日:2009/06/16
個人的評価:★★★☆☆
「小説新潮」連載 241ページ(新潮社・2001/06)
<あらすじ> 新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。どんな小説に対してもたちどころに書評を作成するこの機械が、推理小説界を一変させる――。発表時、現実の出版界を震撼させた「超読書機械殺人事件」をはじめ、推理小説誕生の舞台裏をブラックに描いた危ない小説8連発。意表を衝くトリック、冴え渡るギャグ、そして怖すぎる結末。激辛クール作品集。
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推理小説界・読書界・出版界の舞台裏を皮肉をこめて描いた短篇集。もちろん内容はフィクションだ。「超税金対策殺人事件」、「超理系殺人事件」、「超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)」、「超高齢化社会殺人事件」、「超予告小説殺人事件」、「超長編小説殺人事件」、「魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)」、「超読書機械殺人事件」の8篇。 図書館で予約をしていない本を借りてみた(いわゆる人気のある旬の本ではない)。東野氏の作品では聞いたことないものだったので、あまり期待せずに読んでみた。内容は実にくだらないので、ひまつぶしにしかならないような小説だが、期待値は一応超えていた。あり得ないほどデフォルメされているが、短編だということもあり、飽きがこないうちにタネ明かしされる。トリックも長編だったら許せないけど、引き際がよく、ショートコントのようなものだと思って読めばよいのではないか。 こういう角度から書かれた作品はあまりないと思うので、なかなか楽しめると思う。東野氏の遊び心いっぱいの作品だ。まあ、東野氏のような売れっ子作家にならないとこういうテーマは取り上げられないだろうな、作家人生をふいにしてしまうことになりかねないから…。 |