湊かなえ「少女」

読了日:2009/06/11
個人的評価:★★☆☆☆
書き下ろし279ページ(早川書房・2009/01/23)


<あらすじ>

高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?



<たーやんの独断的評価>

本作品は、「告白」に続く第2作。ある女子高生の遺書がプロローグになり、由紀と敦子の視点からストーリーが展開されていき、別の女子高生の遺書がエピローグになっている。

由紀と敦子の夏休み中に起きたそれぞれの出来事が綴られているが、実はとても狭い世界で起きていることで、偶然が重なりすぎている感がある。あらすじと冒頭の遺書で期待した割には、内容に乏しくがっかり。せいぜい2時間ドラマの脚本程度という印象だ。また、少女たちの冷徹で残酷な言動や救いのない展開・結末にげんなりして、読後感もよくない。

世間の評判がよい「告白」ですら、私にとってもいまいちだったので、彼女の作品は私の感性に合わないのかもしれない。彼女の作品は当分読まないな。