こんな生活、もう我慢できない…。自堕落な夫と身勝手な息子に翻弄される主婦の救いのない日々。昔、捨てた女が新婚家庭にかけてきた電話。突然、高校時代の友人から招待された披露宴。公園デビューした若い母親を苦しめる得体の知れない知人。マンションの隣室から臭う腐臭…。平穏な日常にひそむ狂気と恐怖を描きだす八編。平凡で幸せな結婚や家庭に退屈しているあなたへ贈る傑作短編集。
読了日:2009/05/22
個人的評価:★★★★☆
小説すばる等270ページ(集英社)
<あらすじ> こんな生活、もう我慢できない…。自堕落な夫と身勝手な息子に翻弄される主婦の救いのない日々。昔、捨てた女が新婚家庭にかけてきた電話。突然、高校時代の友人から招待された披露宴。公園デビューした若い母親を苦しめる得体の知れない知人。マンションの隣室から臭う腐臭…。平穏な日常にひそむ狂気と恐怖を描きだす八編。平凡で幸せな結婚や家庭に退屈しているあなたへ贈る傑作短編集。
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貫井氏の初の短編集。「崩れる」、「怯える」、「憑かれる」、「追われる」、「壊れる」、「誘われる」、「腐れる」、「見られる」の8編からなる。夫と息子に悩まされる中年女性、夫の気持ちを試す新妻、憑かれた独身女性、ストーカーされる女性、してやられた不倫男、公園デビュー、悪臭に苦しむ妻、とすべて違うテイストで8回美味しい小説だ。 どの作品もごくごく日常のことがテーマになっていて、どこかで選択を誤ると誰しもこのような目に遭うことになりかねないだけにリアリティ満点だ。貫井氏本人が巻末の自註解説で認めているように「憑かれる」がイマイチ。これさえなければ、★×5にかなり近づいたかもしれない。 今まで読んだ貫井氏の作品の中で一番読みやすかったかもしれない。帰りの電車で3日読んだら(行きは爆睡していて全く読んでない)読み終わってしまうほど、あっという間に読了できる。あっという間に読み終わるのに、長編小説を読了した後のようなボリューム感がある。 いずれも結婚が共通項になっているので、既婚者にはより楽しめる内容になっていると思う。 |