重松清「少しだけ欠けた月」

読了日:2009/05/10
個人的評価:★★★☆☆
産経新聞等連載356ページ(文藝春秋)


<あらすじ>

静かな、静かな、ひとりぼっちの月。
ぼくたちは明日から、もう家族じゃない。

澄んだ光に満ちた秋が、
かけがえのない時間を連れてくる
ものがたりの歳時記――「秋」の巻、12編

オニババと三人の盗賊/サンマの煙/風速四十米/
ヨコヅナ大ちゃん/少しだけ欠けた月/キンモクセイ/
よーい、どん!/ウイニングボール/おばあちゃんのギンナン/
秘密基地に午後七時/水飲み鳥、はばたく。/田中さんの休日



<たーやんの独断的評価>

昨年の3月に出版した「ツバメ記念日」に始まった「季節風シリーズ」の第3巻。冬を先に読み、季節風シリーズ最後の読了となった。

どれも家族愛・友情をテーマにした身近に感じられる「いい話」で読後感も爽やか。主人公の世代も区々なので、読み手によって思い入れが強くなるものは違ってくるかもしれないが、今回の作品も全般的にレベルが高い(「風速四十米」、「よーい、どん!」、「水飲み鳥、はばたく。」がイマイチ)。ただ、さすがに似たような話をいくつも読んでいると若干食傷気味だ。

季節風シリーズ4作をこの4カ月程度の間にすべて読了したが、それぞれの季節の巻の間に何ら関係はないので、一気に読む必要は全くない。時間を空けてそれぞれ読むことをおススメする。特に癒されたいと思ったときに読むと良さが一層分かるのではないだろうか。