読了日:2009/03/11
個人的評価:★☆☆☆☆
別冊文藝春秋掲載253ページ(文藝春秋)
<Review> 34歳の女性歯科医と17歳の少年との恋愛を中心にその周辺にいる人物を描いた「恋愛小説」。はっきり言って、これは「昼ドラ」以外の何物でもない。恋愛をテーマに扱っていながら内容が空虚で3日も経つと内容を忘れてしまう、美那子と鈴とがどうしようもない愛を知り、引き返せない道へ踏み出してしまうだけの運命的なものも彼らの出会いには特に感じられず、彼らを結びつけた必然性にもどうも首をひねってしまう、また読後感もすっきりしない等、私の評価ポイントをことごとく外してしまい、珍しく今回は★1つにさせてもらった。 小笠原航路の荒波に揺られながら船室で読む本として内容的にふさわしくなかったことも影響していると思われるので、その辺を差し引いてみて興味があれば読んでみては如何か。あさのあつこ氏の作品は「バッテリー」と「金色の野辺に唄う」を読んだが、それらの作品とは対照的で、同氏がこういう作品も書くのかと意外には思えるはずだ。 |