東野圭吾「眠りの森」
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読了日:2009/02/25
個人的評価:★★★☆☆
書き下ろし328ページ(講談社文庫)

テキスト ボックス: ~オビの解説より~

美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。



















<Review>

シリーズキャラクターである刑事・加賀恭一郎が狭い世界であるバレエ界で起きた事件を解決していく東野氏初期の作品。結末近くまで謎が解けないままストーリーが進行していき、最後の30ページで加賀のひらめきにより、関係者に事情聴取する中で一気に種明かしされていく。

前半で読者をミスリーディングさせている箇所がいくつかあり、読了後の印象としては、謎が解けないように意図的に仕組まれているような感があって、正直がっかりした。読みやすいことは読みやすいが、やはり推理小説は展開が命だと思うから、その辺で評価はいまいちと言わざるを得ない。

関係者の自白により事件は解決するが、加賀と未緒の今後が気になるところだ。おそらく続編は書かれていないんだろうな。