恩田陸「きのうの世界」
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読了日:2009/01/07
個人的評価:★★★☆☆
神奈川新聞等連載478ページ

テキスト ボックス: ~オビの解説より~
塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?誰も予想できない結末が待っている!!恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。

あなたは水無月橋について考えている。これから行くその場所、殺人現場であるその橋のことを。バス停に捨てられていた地図には、赤い矢印が付いていた。まさにこれからあなたが行こうとしている、水無月橋のあるところに。印の付いていた場所で死体が見つかったことで、人々は想像をたくましくした。【第1章より】



















<Review>

「きのうまで信じていた世界」の意味を描き出す長編小説。読み始めてから間もなく、本作品が次回直木賞にノミネートされた。結果は如何に…。年末年始をはさんで読んでいたため、ダラダラと読んでいる中で、次々と登場人物が増えてストーリーが拡散していき、結末で一気に収束する…正直言って、アタマがついていかず、どうもしっくりこない。読後感もいまいち。いずれもう一度読み返す必要がありそうだ。それにしても、この手の現実離れしたストーリーはついていけない。恩田ファンにとってはいいのかもしれないが…。オビにもミステリーだと書いてあったからそのつもりで読んでいたが、これはミステリーではなく、ファンタジーではないか。同じように登場人物が多い同氏の「ドミノ」のほうがエンターテイメントに徹していて面白く読めるのではないか。