アイマスディアリースターズ、きましたねー。もう声優チョイスには文句しか沸きませんねー。お披露目がビデオレターってナメんなよぅ>サンペー アイマス声優がプロデューサーから熱烈に支持されるのは、新人声優が育っていくのをリアルタイムで見届けてきたことにあると思うんです。自然消滅していく定めだったアイマスを救済したのがニコニコ動画への違法うp(セクハラさん、とかちつくちて等)っていうのは今となってはちょっと大きな声で言えないのですけど、アーケード出身でも、ニコニコ出身でも、自分たちの支持がアイドルマスターを生き長らえさせたことへの自覚も自負もあるわけで、プロデューサーとアイドルの中の人は持ちつ持たれつというか、WIN-WINのいい関係を築いてきたと思います。そこで戸松遥とかさぁ…、ビッグネーム突っ込まれても、ねぇ?履歴がまっさらなアッキー・ぬーぬー・はらみぃは美希・響・貴音と一緒に育ってきたわけだけど、最初から『どうせナギ様だろ』という色眼鏡通されたらおしまいだし、初々しくない新人アイドルをプロデュースしろって言われてもね。765プロの新企画も同時進行しているあたりゼノグラの二の舞ですねわかります。
まぁこんなことを語りにきたのではないのです。今回は『DS』お披露目に伴って、保留にしていた『SP』の感想を述べたいと思います。
『SP』は本当に楽しみにしていました、それこそ持っていなかったPSPを買っちゃうぐらいに。ところがPSPはわずか1週間でモンハン専用機と化しました。えぇダメでした、ハマれませんでした。
やっていて、なんだか、『これってアイマス??』って気になるんですよね。では、私が認識していた『アイマス像』とは何だったでしょうか。
1.アイドルが可愛い超可愛い
2.ダンスが可愛い超可愛い
3.超難度
4.一本筋のないシナリオ、多分岐による脳内マルチエンド
5.プレイヤーは『プロデューサー』という立場の強い人間である
1.と2.には説明は不要でしょうし、3.はそのままですから、4.から補足します。
『アイマス』中で強制的に読まされるシナリオは最初と最後だけです。アイドルとの絆を築いていくゲームで、逆に絆を築く過程はいずれも強制ではありません(ランクアップはキーコミュのようなものですが)。プレイヤーによってどのコミュを通るかわからないため、どれを通っていても通っていなくても筋が通るようなコミュの構成にわざわざしているのですし、一つのセリフを取り上げても『これはあの時のあのことだな!』と脳内補完で高まってくれと公式で宣言されています(マスターブックより)。
5.について。プロデューサーは千早に睨まれようと律子に足で使われようと伊織に変態と罵られようと、スケジュールの決定も楽曲や衣装の選択もコミュでの主導権も全てプレイヤーが握っています。女の子はみんなプロデューサーが大好きというハーレム状態であり、なんだかんだで可愛い女の子を好きにしていいという非常に変態的な…もとい紳士的なゲームです。
以上を『アイマスの定義』とします。アーケードは1.と2.がポリゴン的にキワドいけど。それではアイマスSPはどうでしょうか。
1.やっぱりPSPのポリゴンは限界である。一部アケ版のモーションが復活していることもあり滑らかさを欠いて気持ち悪い。
2.トリオで連携すべきダンスもソロだと寂しい(Colorful Daysなど)。ただでさえローポリなのにリップシンクどころかまさかの口パク、かつ新しいダンスはいずれもMPが無くなる代物という困った三重苦。
3.どこを向いているのか分からない難易度。
4.一本筋の通ったオチの着くドラマティック(笑)なシナリオ。
5.コミュでの決定権限がなく、プロデューサーは傍観者と化す。
相変わらず1.2.は省略。箱がいかに高性能なのかを再認識しますね。
3.について。レッスンは相変わらずメチャメチャ難しいしオーディションも一筋縄では行かない。PSPというプラットフォームを選んでおきながら新規層をさらう気あるのか?と疑いたくなるくらい。正直、ベテランP狙いのゲームなら箱で出してくれた方がよっぽど良かったです。かと思えば『チャンス』としてボムが10個“支給”されるコミュもあって難易度を下げようという努力も見られますし…。どっちなの?
4.について。今回はライバルとぶつかり合い切磋琢磨してアイドルが成長する、という明確な目的とシナリオが提示されています。そうなると必然、強制的に読むシナリオの文章量は今までの比ではなく、例えば『オレがコミュを選んだオレだけの雪歩』はいなくなり、『SP版雪歩』が圧倒的な文章量とともにはだかります。
単品ものの従来のコミュと違い、一つの話は次の布石となるため全てを飛ばすことは不可能となります。それにより、1アイドルごとの書き込みの深さはかなりのものになるものの、話を終了させるような荒唐無稽な選択肢は排除されます。
そこで5.。アイマスはバッドコミュのデタラメさも一つの魅力でしょう。雪歩を埋めたり春香が黒かったり美希に金的されて死んだりと、キャラの魅力を引き出すのはパーフェクトコミュニケーションだけでは不十分です。また、多少選択が間違っていても「そういう考え方もあるか、さっすがプロデューサー!」とベタボメしてくれる(真、裏美希など)のもプロデューサー特権であったと思います。
SPではどうでしょうか。A,B,Cの選択肢があった時に間違えると「Bだ!」→「えっプロデューサー、それって…」→「ああごめん言い方が悪かった。Aだ!」→「それなら…」と言った風に進行するため事実上選択肢は1つ、選択肢を提示する意味がもはやありません。
もちろん新規シナリオの出来はよかったですよ。ライバルという存在のおかげで、今まで見せなかった弱さを浮き彫りにされた伊織、強さを示した亜美・真美、弱さも強さも肯定した雪歩など、アイドルごとの魅力を特化した素晴らしいアイマスIFだったと思います。でも、なんというか、アイドラを読まされている感じです。
初代アイマス(AC・箱)のプレイヤーはプロデューサーは絶対権力を持つ最強の存在でした。『L4U!』のプレイヤーはファン代表という中途半端な立場ながらも、ステージの一切を操作する一時的な絶対権力者でした。
SPのプレイヤーはプロデューサーでありつつもコミュの主導権を剥奪された、シナリオの傍観者に落ちました。DSに至ってはプレイヤーはアイドル自身です。プレイヤーの立場がもりもり弱くなっていきますね。
よってアイマスSPは、なんていうか、アイマス二次創作というか(いや一次創作なんですけど)、ニコマス的に言うなら架空戦記を読まされているという感じで、『それそのもののシナリオは面白いけど、これってアイマス??』という結論です。
プロデューサーという立場の面白さは、やはり上司と部下というアイドルとの距離にあると思います。男女の組み合わせだってやっぱり他人、しかもビジネスパートナーですから。その距離が徐々に縮まって二人の関係が変わっていく様子を楽しめるのが千早やあずさ、美希あたりのシナリオですかね。わからないなりに互いを理解していく。そういう楽しみ方をしてきたはずです。
『アイドルともっと知り合って欲しい』をテーマに作られたSPでは今まで見せてこなかったアイドルの側面や本音に触れる事がキーポイントとなっています。今まで以上にアイドルと接近するためにはプロデューサーの父権性の剥奪が必要でした。
DSに至ってはプレイヤーがアイドルそのもの。『アイドルを知り合うためにはアイドルになるのが一番』って、坂上Pさすが変態という名の紳士だ、勝てねぇ…! アイドルとプレイヤーの距離はゼロになった代わりにとうとうプロデューサーという名目すら剥奪されました。
この進化って望まれたもの?アイマスの一番手っ取り早い楽しみ方ってパイタッチだったと思うんですよ。雇い主とタレントという絶対的権力差の元にセクハラ三昧…じょ、冗談です!
アーケードのプレイヤーは特にそういう認識があると思いますが、『あの手この手で勝ちまくる!』というプレイヤーのスケジューリングの力やオーディションを生き残る技術と知識を最大限に振り絞るという、総合的なプロデュース力を問われるシビアさがアイマスの売りだったと思います。
アイドルとの関わり方からもゲーム性の側面からも、プレイヤーは絶対にプロデューサーでなければならないと思うのです。
さて新作。プレイヤーはセルフプロデュースをするアイドルとなりましたが、この選択は吉と出るか凶と出るか…。