YOSHIKI対相撲協会

 X JAPANのYOSHIKIが白鵬の優勝を祝して客として呼ばれたところ、世話係に慌しく急かされ『畳の上ではブーツを脱げ』と言われたことに対し『僕はもともと呉服屋の長男。平気で畳の上を靴で歩いたりはしません』と不快感を露にした、というニュースがありました。えーと…また相撲協会か!ほんとに話題に事欠かないなこの業界(悪い意味で)。

 ところでこのニュースを捕捉したのはmixiニュースなのですが、興味を持ったのは『YOSHIKIブチ切れ』『YOSHIKI苦笑』というタイトルが並んでいたからなんですよね。これ、両者に相当な差があるんだけど…。こいつぁ臭うぜ…!というわけでmixiに掲載されていた当該ニュースを列挙してみます。

YOSHIKIブチ切れ!相撲協会対応に怒(サンケイスポーツ)
 ロックバンド、X JAPANのリーダー、YOSHIKI(年齢非公表)が28日に東京・両国国技館で行われた横綱・白鵬(23)の優勝記念撮影会場でブーツを脱がなかったとして相撲協会から叱責を受けたことについて、同協会に厳重抗議していることが29日、分かった。YOSHIKIの所属事務所がマスコミ各社にファクスで明かした。YOSHIKIは「僕は呉服屋の長男。平気で畳の上を靴で歩いたりはしません」と怒りをぶちまけている。

 世界を股にかけるYOSHIKIも、暴行事件や大麻問題に揺れる角界の対応にブチ切れだ!

 YOSHIKIは友人の横綱・白鵬の客人として28日、東京・両国国技館で行われた大相撲秋場所千秋楽を生観戦。現場で8回目の優勝を果たした横綱から記念撮影をお願いされ、支度部屋を訪れた際にブーツのまま畳の上を歩こうとしたとして、相撲協会の桐山部屋の世話人(52)から「畳の上だぞ、靴を脱げ!!」と一喝された。

 この騒動について所属事務所は、支度部屋は記者や関係者の壁があり、その先に何があるか分からない状態で、足場に畳があったか把握できなかったにもかかわらず、部屋に入るなり同氏から「急いで」「歩かないで」「走れ」などと急かされたことを指摘。移動の際に同協会の誘導や説明はなかったという。本人は帰ろうというしぐさもしたが、白鵬との友人関係を先に思い、靴を脱いで壇上に。さらに状況を把握していないYOSHIKIに対し、今度は「胡座をかけ」と指示があり、あえて笑顔を作って記念撮影を済ませたという。

 この相撲協会の言動や態度に対し、YOSHIKIは異例の抗議コメントを発表。「僕はもともと呉服屋の長男です。いくらアメリカ生活が長いとはいえ、平気で畳の上を靴で歩いたりはしません」と不快感を吐露したうえで、「お客さんをこのように扱う相撲協会って少しおかしくないですか?」と苦言を呈している。

 関係者によると、YOSHIKIを招待した白鵬も「横綱の客人に対して考えられない対応」と相撲協会に対してご立腹の様子。記念撮影後、すぐさま電話でYOSHIKIに謝罪した上、本人の元を訪れて再謝罪。30日に横綱が所属する宮城野部屋を通じて相撲協会へ正式に抗議を入れるという。

 この件に対して、相撲協会広報部はサンケイスポーツの取材に「担当者が不在のためコメントできない」としている。

 4社比較して、これが一番事実に近いと思います。続いてYOSHIKIサイドの視点から。

一部スポーツ紙にて報道されたYOSHIKIに関する正式アナウンス(バークス)
 YOSHIKIに関する報道に関して

 今朝、YOSHIKIに関する件で一部報道されましたが、当日YOSHIKIの側に居た、YOSHIKIオフィシャル携帯サイト「YOSHIKI mobile」の目線から、事実関係をお伝えいたします。

先日、食事の席でYOSHIKIは横綱白鵬関本人から「今場所、良かったら観に来てくれませんか?」と誘われました。
今回の来日では殺人的なスケジュールをこなしているYOSHIKI本人ですが、友人の為とあり、何とか両国国技館に駆けつける事が出来るように調整しました。(中略)

取り組み終了後、白鵬に挨拶をして帰ろうと廊下で待っていましたが、当然、関係者や取材陣の方々に囲まれてしまいました。
「これ以上は騒ぎになるので別の場所に行って欲しい」と言われ、本人はそこで帰ろうとしたのですが、白鵬本人の希望で、記念撮影だけでもして欲しいと言われたので、その後30分車で待機していました。

「準備ができたので」と関係者に呼ばれ、支度部屋に入るなり・・・・・桐山部屋世話人の斎須稔氏に「急いで」「歩かないで」「走れ」と言われました。
YOSHIKIの目の前には、記者や関係者の壁が有り、その先に何があるか分からない状態で、スタッフ共々、何処に行けばよいのか漠然としていました。そこで、関係者の間を通ってどうにか前に出ようとしましたが通れず、脇にある段差を乗り越えて行こうとしました。

あの人ごみの中で、そこが畳だったかどうかは、スタッフですら把握する事が出来ませんでした。(中略)本人はその場で帰ろうという仕草もしましたが、白鵬との友人関係を先に思い靴を脱いでそのまま壇上に。更にそこで、状況を何も把握していないYOSHIKIに、胡坐をかけと指示があり記念撮影を済ませました。

横綱の為を思って、YOSHIKIは最後まで笑顔でいましたが、部屋を出るとすぐに相撲協会に対して日本で最も礼儀作法を重んじるはずの協会のはずが、あの言動は失礼だと、YOSHIKIのマネージメント関係者の怒りが爆発しました。また、来て欲しいと呼んでおいて、あの態度は何だ、といった事も併せて、関係者から相撲協会に抗議を入れました。

YOSHIKIはその後食事に行きましたが、白鵬からすぐ電話にて謝罪が入りましたが、その場の会話では「今日は本当におめでとう」の一言で終わったようですが、一時間後、YOSHIKIの居るレストランに横綱本人が、直接謝罪に来てくれました。YOSHIKIは最後まで「横綱本人は気にしなくて良いよ」と言って笑顔で対応していました。
(以下略)

   ◆   ◆   ◆

YOSHIKI本人のコメント

僕はもともと呉服屋の長男です。
いくらアメリカ生活が長いとはいえ、平気で畳の上を靴で歩いたりはしません。
人ごみで場所さえ見えない中、「走れ」「早く来い」と言われ、その前にあった記者の壁を通り抜けようとしましたがそれも出来ず、脇の板をステップにしようとしたんですが・・・・・それって畳だったんですか?

今でも把握していません。写真の撮影をした場所は畳だと分かったので、靴は自分から脱ぎました。

その後、僕の食事の行った場所に白鵬横綱本人がその時の協会の対応について、わざわざ謝罪に出向いてくれたのですが、お客さんとして呼ばれて行ったお客さんをこのように扱う相撲協会って少しおかしくないですか?
例えそれが僕であれ誰であれ、名前は分からないですが、あの世話人の態度は、人を不愉快にさせますね。

但し、今回の白鵬の8度目の優勝はとても嬉しく思っています。
今後も頑張って欲しいですね。

 怒ったのはマネージャー?? とりあえず世話人は30分待たせた挙句、「急げ・早くしろ」「胡坐をかけ」としか説明せず自分に客人が合わせるのは当然と思っているのは間違いないと思います。今度は否定的な立場から。

YOSHIKIが相撲協会に抗議文(日刊スポーツ)
(中略)
 白鵬を祝福するはずが、恥をかかされたYOSHIKIが、大麻、八百長問題で揺れる相撲協会に怒りをぶつけた。この日夜、YOSHIKIは前日の支度部屋での騒動を釈明するコメントを、所属事務所は詳細を説明する1000字に及ぶ文書を発表した。

 それらによると、YOSHIKIはかねて交流のあった白鵬の誘いで、千秋楽を升席で観戦。取組後、混乱を避けるため帰ろうとしたが、白鵬の希望で優勝記念撮影に参加するため、車で待機することになった。撮影の準備が整った連絡を受け、関係者や報道陣でごった返し前方すら確認できない支度部屋に入ったところ、世話人から「急いで」「歩かないで」「走れ」と、“客扱い”されずにせかされ、要領を得ないまま撮影の最前列に加わった。さらに「あぐらをかけ」と指示され、中途半端な姿勢のまま撮影を終えた。

 その場は白鵬を気遣い、問題にしなかったが、一夜明けたこの日「お客さんをこのように扱う相撲協会って少しおかしくないですか? あの世話人の態度は人を不愉快にさせます」とコメント。所属事務所は「日本で最も礼儀作法を重んじるはずの協会が、あの言動は失礼」と関係者を通じて協会を抗議。謝罪の内容を含む回答を得たが、納得がいかず再抗議した。

 YOSHIKIが慌てたため、上がり座敷の板の部分にブーツのまま足をかけ、注意された。それを一部で、靴のまま畳に上がったと報じられたのも、プライドを傷つけた。今まで伏せていた実家の家業を持ち出し「僕はもともと呉服屋の長男です。いくらアメリカ生活が長いとはいえ、平気で畳の上を靴で歩いたりはしません。人ごみで場所さえ見えない中『走れ』と言われ、脇の板をステップにしようとしたんですが…。それって畳だったんですか? 今でも把握していません」とコメントした。

 記念撮影は全体のスケジュールが遅れ気味の中で行われ、直後のパレードを警備する警察からも急ぐように指示されていた。優勝記念撮影で、準備を終えた優勝力士より後に、出席者がやってくるケースはない。慌ただしい状況での世話役の言動だったが、YOSHIKIサイドには関係なかった。パレード後、怒りを知った白鵬が、YOSHIKIが食事をしている店を訪れ直接謝罪すると「横綱が悪いわけではないから」と、逆に優勝を祝福した。ただし、大相撲トップの横綱が頭を下げたことで、終わるはずの問題を終わらせなかった。

 ああなるほど、縁側に足をかけたことは間違いないんだ。それは状況を把握している人間から見たらブーツのまま畳に上がろうとしているように見えますね。ただし畳の上まで上がっていないことも間違いないようです。

 『今まで伏せていた実家の家業を持ち出し』って別に伏せてねーよ!ぐぐれば一発だろ! 『一夜明けたこの日』としてるけど、YOSHIKIの正式な声明は一日後かもしれないけどあたかも後からネチネチ言っているようにしか見えない報道ですよね。白鵬自ら謝罪に来てそれに笑顔で対応しその場で収束したことは自身で書いているのに。

 『終わるはずの問題を終わらせなかった』それはお前だろ!!

YOSHIKI苦笑 国技館で大目玉(デイリースポーツ)
 ロックバンド「X JAPAN」のリーダーYOSHIKI(年齢非公表)が東京・両国国技館で大目玉をくらった。

 28日、大相撲秋場所千秋楽を観戦し、優勝した友人の横綱白鵬と記念写真に納まるために支度部屋を訪れた。すでに撮影は始まっていたがゆっくり歩いて関係者の一団に合流しようとすると、相撲協会の警備担当の世話人(52)から「急いで!歩かないで!」と注意が。さらにブーツのまま土足で力士が座るあがり座敷を歩いてしまい、「畳の上だぞ!靴を脱げ!」と怒鳴りつけられ、なおもモタモタしていると、「そこ靴脱いで!」と再び怒鳴られてしまった。

 この日が初めての相撲生観戦。「何も知らなかったもので。びっくりしました」と恐縮しきりだったが、外国暮らしが長いとはいえ、土足で座敷を歩くとは非常識だった

 世界をまたにかけるYOSHIKIが、衆人の前でしかられるとは、珍しい光景。有名人であれ、作法は作法。角界の洗礼を浴び「すごい迫力でした」と苦笑し「白鵬関は横綱になる前から友人。今後も頑張ってほしいです」と話していた。

 続々明かされる新事実。ここまで絶望的に書いてあることが違うと笑いすらこみ上げてきますね。「撮影準備が出来たから」と呼ばれたことを「すでに撮影は始まっていた」と一蹴する潔さがステキすぎます。『ゆっくり歩いて』『なおもモタモタ』はどう見ても捏造。『今後も頑張ってほしいです』の使い方が革命的に上手ですね。まるでYOSHIKIがアホの子のよう。確かに言ったことは間違いじゃないけど! あ、畳については今更ツッコまない。ブーツを脱いでいる写真を『座敷をブーツのまま歩いてしまい、靴を脱ぐよう協会関係者に注意されるYOSHIKI』と当然のように捏造する姿には感動を覚えます。事実を積み上げることは必ずしも事実に繋がるわけじゃないんですね…。

 各社2度目の報道。サンケイのものはないので、YOSHIKIサイドのバークスから。

YOSHIKI、ファンに向けて発した彼自身の心情(バークス)
相撲協会とYOSHIKIとの一連の騒ぎに対し、多くの注目が集まっている状況下、YOSHIKI本人からファンに向けてコメントが発せられた。

彼自身の言葉を、一部抜粋しここに紹介したい。ここにある言葉が、現在のYOSHIKI本人の心情である。

   ◆   ◆   ◆

自分は、白鵬横綱に呼んでもらった数多くのお客さんの中の一人です。
この事に関しては、今でも白鵬横綱に感謝しています。

今日は朝からマネージメントを通じて、相撲協会の関係者の方々から
謝罪の段取り等の話が来ていますが・・・。
僕自身のことはいいので・・・謝るなら、その場にいた他のお客様、
そして何よりも白鵬横綱に謝ってあげてほしいです。
また自分を含めこちらのスタッフもそういった状況の中、
“もう少し機敏に対応できていれば”と、反省しなければいけない点もあると思っています
(ただし、何度も言うように土足で畳の上にあがってはいないと思います。)

自分自身、相撲の事に関してはあまり詳しくないのですが、
今回横綱に招待してもらい、初めて観覧させてもらいました。
取り組みを熱心に応援している人、相撲を本当に楽しんでいる人が沢山いました。
そんな人たちの夢を壊さないようにこれからも頑張ってほしいです。
今後も伝統有る相撲界の発展を祈ってます。

   ◆   ◆   ◆

以上である。スポーツと音楽は違うが、プロとしてしのぎを削り、果てのない極みを目指して精進するアスリートという意味では全く同じである。横綱白鵬関とYOSHIKI、そのスタイルも世界も違えど、闘志湧き立つ流れる血には同じ匂いを放つのであろう。アスリートとしてのふたりを応援する、我々でいたいものである

きめぇ。

 ……えーっと……、その、なんだ…。ポエムを使えば美化できると思ったのかな? こうなると、バークスもYOSHIKIに必要以上に肩入れしている報道をしている可能性があります。次いで終わるはずの問題を終わらせない日刊スポーツ。

YOSHIKI、白鵬を気遣い収束へ(日刊スポーツ)
 (中略)。世話人から「急いで」などと怒鳴られたことに立腹していた。しかし、謝罪する白鵬らを気遣い騒動を広げるのを避けたようで「自分も含めてこちらのスタッフも『もう少し機敏に対応できていれば』と反省しなければいけない…もある」と譲歩した。同協会ではこの日の評議員会などが行われたが、議題には挙がらなかった。ある親方は「記念撮影の時は支度部屋に入った時点で、部屋の関係者。協会として考えることじゃない。ただ、言葉遣いには気をつけるべき」と話していた。

 終わるはずの問題を終わらせないYOSHIKI側が100%悪いんだけど白鵬のために譲歩してやった、と読み取らせたいんでしょうね。トドメに『ある親方』などという実在しているか怪しすぎる新キャラが登場して協会を美化しているところからも工作員の臭いがします。

 最後はオチ担当のデイリースポーツ

YOSHIKI ごう慢相撲協会にキレ返し(デイリースポーツ)
 X JAPANのリーダー・YOSHIKI(年齢非公表)が、28日に東京・両国国技館で行われた横綱・白鵬の優勝記念撮影の際、土足で畳の上に上がり、関係者から大目玉を食らった件に対して29日、YOSHIKIの関係者が相撲協会に対し抗議した。

 YOSHIKI側は「あの言動は失礼。来てほしいと呼んでおいて、あの態度はなんだ」としている。またYOSHIKIもコメントを発表し「人ごみで場所さえ見えない中『走れ』『早く来い』と言われ…」と釈明。「お客さんとして呼ばれて行ったのに、このように扱う相撲協会って少しおかしくないですか」と協会を批判した。

 OKわかった、お前は何も言うな。

 そういえばどさくさにまぎれて世話人の進退がわからなくなってるんだが…。謝罪するべきは白鵬でも相撲協会でも、はたまたYOSHIKIでもなく斎藤稔氏(52)が一番先ですよね。彼がこの対応はまずかったと反省しているのか、それともYOSHIKIが譲歩するのが当然だと考えているのかどうかは同じ匂いを放っているかどうかよりよっぽど大事な問題だと思うのですが。

 しかしネットニュースって面白い!こんなに簡単に各社を比較できるんだから。各社がここまで言いたい放題、かつ捏造が明らかだと単独一社だけのニュースしか捕捉しないのは危険だと再認識しますね。うちはまさかの朝日新聞一本なので、気になるニュースは逐一追いかけるくせをつける、我々でいたいものである。

戻る